生徒が使用する学校指定の携帯電話導入を、神戸市にある私立須磨学園が計画している。早ければ2010年春にも導入される。
児童の携帯電話所持をめぐっては、文部科学省が全国の小中学校における学校内への持ち込みを、高校における校内での使用を原則禁止する要請を通達している。
須磨学園が生徒に実施した調査によると、92%が携帯電話を所持していることが判明。こうした実態に対して「生徒が携帯電話を持っているのはいまや自然な流れ。一律に禁止するよりもルールやマナーを教えた方がよい」として、有害サイトに接続できないよう設定するなどした独自仕様の携帯電話を、生徒に配布する方向で、現在、生徒や保護者との間で協議を進めているという。
同学園によると配布する携帯電話は、制服や制帽と同様に「制携帯」として位置づけ。アクセス制限をあらかじめ設定するだけでなく、音声機能を使った英会話学習や、自宅学習用の教材を読み込むなど、授業にも役立てられる機能を提供したいとしている。ただし、校内における授業以外の使用に関しては現在同様に禁止する。
また、緊急時に学園が設置したサーバの記録からメール履歴などを確認したり、GPS機能を活用した位置情報確認システムなども、生徒や保護者の要望に応じて提供できるとしている。
さらに、携帯電話を授業にも活用する可能性もあることから、制携帯を用いた生徒間や教師との通話料金を無料とするシステムの導入を検討しているという。
ただし、生徒会が全校生徒らを対象にしたアンケートによると、生徒の39%が「携帯は学校生活でも必要」と回答した一方で、「制携帯は使いたくない」という声も31%を占め、学園では今後も生徒や保護者などと話し合いを進め、調整をしたいと説明している。
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