ソニーはElectronic Entertainment Expo(E3)において上首尾で進めていたプレスカンファレンスの途中、「PlayStation Portable Go」(PSP Go)の詳細や「PSP」用ゲーム、「PLAYSTATION 3」(PS3)用ホリデーシーズン向けタイトルの紹介をいったん中断し、身近になりつつあるモーションコントロール技術の将来を少しだけ披露した。ただし、こうした段取りはすでに見慣れたものになっていた。実際、Microsoftと任天堂はE3のプレスカンファレンスの途中、「未来はモーション」という同様のテーマで息抜きをしていたからだ。
ソニーにとって、最後に登場するのは不利とも思えた。壇上にあがったのは、同社の「PLAYSTATION Eye」および「EyeToy」の開発チームからの2名で、見るからに緊張しているようだった。光り輝く紫の球が先端に付いた黒い棒状の試作デバイスが披露されたときは、ほとんど冗談のように思われた。だが、おかしなことが起こった。デモが続くにつれ、面白くなっていったのだ。
ソニーの黒い棒は、PS3版「Wiiリモコン」のようだ。アナログトリガと数字ボタンで設定し、ちょうど「Wii MotionPlus」のように、1対1のマッピングを行う。光り輝く球(デモの最中に色が変化した)は、このポジショニング技術を構成する重要な部分だった。ただしプレスカンファレンスでは、具体的な仕組みの詳細は明かされなかった。
いくつかの馴染みのある分野でデモが行われ、絵を描く、仮想の剣やテニスラケットを振り回す、3Dルーム内で仮想オブジェクトをインタラクティブに操作する、といったことが示された。ユーザーが拡張現実(AR)の形で画面上に現れ、棒が野球のバットや銃、レーザーウィップ(光の鞭)へと変化するデモの中で、ソニーはこう主張した。「たいていのゲーム操作にはボタンが必要とされる。これはトリガを使わずにはなし得ない。(トリガがなければ)自然な操作感は得られないだろう」
アナログトリガは、ペイントプログラムで使用するブラシの太さや、仮想のスプレー式塗料缶の明度を制御するのに使われた。2本の棒を使った剣と盾のデモでは、骸骨を切り刻む際の繊細なタッチを示した。別のアーチェリーのデモ(これは数時間前に示された任天堂の「Wii Sports Resort」のアーチェリーゲームに対するほぼ直接的な反応)では、控え目に言っても、これ以上はないほど正確に見えた。「高精度で、ミリメートル未満の」正確性という説明だった。
1つ驚いたのは、Sony Computer Entertainment America(SCEA)の最高経営責任者(CEO)であるJack Tretton氏が、2010年の春にはこのコントローラが利用可能になると発表したことだ。これは、Microsoftの新コントローラ「Project Natal」とは異なり、リリースが迫っていることを意味する。また、「Wii」スタイルのゲーム制御に説得力を添えるようにも見える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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