地上デジタル専用レコーダーの新製品において、著作権料の一部を補償金としてメディアや録音録画機器に上乗せして販売する「私的録画補償金」制度の適用を、パナソニックと東芝の2社が拒否していることが明らかになった。
パナソニックは、5月8日付けの文書で、著作権管理団体に対し、同社の地デジ専用の新製品について「補償金の徴収に協力できない」旨を通知。また、東芝も同様に2月に発売した地デジ専用DVDレコーダーについて、補償金が販売価格に含まれていないことを明らかにした。
地デジ放送の録画をめぐっては、「デジタルコンテンツでは、コピーコントロールにより、不正コピー防止の担保ができている」というのがメーカー側の主張。2008年7月には、補償金をBlu-ray録画機とBlu-ray Discに限り、コンテンツの私的複製を9回までの「コピー(複製)」と1回の「ムーブ(移動)」を認める「ダビング10」を導入することで、メーカー側と権利者側でいったん折り合いがついている。
しかし現行の著作権法では、地デジ録画を補償金の対象外とする規定は盛り込まれておらず、メーカー側は補償金の徴収に協力することが義務づけられている。
今回の措置について2社は「課金対象が明確でない以上、消費者からの徴収に応じることはできない」と説明している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」