交渉に近い2人の消息筋によると、Appleと3大レコード会社は、楽曲を「iTunes」でデジタル著作権管理(DRM)を適用せずに販売可能にする契約を締結したという。消息筋はまた、Appleはその引き換えとして、価格設定を柔軟化することに合意したと述べている。
契約の条件では、楽曲の価格は、カタログに載っている旧作の楽曲、現在ヒット中の楽曲、その中間の楽曲(比較的新しいが大ヒットにはなっていない)の3種に類別されるようになると、消息筋の1人は述べている。Appleはすでに1年以上前からEMIの楽曲をDRMによる保護なしで販売しているが、米国でのEMIのシェアは10%以下となっている。このたびの新しい契約により、DRMフリーで販売される楽曲は3大レコード会社(Sony BMG、Universal、Warner Music)にも広がることになるだろう。
同消息筋の1人によると、Appleと3大レコード会社はまた、無線(Over-The-Air:OTA)ダウンロードについても合意に達しているもようだという。それが事実なら、Wi-Fiではなく携帯電話網を介してiPhoneに楽曲をダウンロードできるようになる。交渉は先週終わっており、サンフランシスコで開催中のMacworld Conference and Expoで米国時間1月6日にもこの契約が発表されるかもしれない。
Appleにコメントを求めたが回答は得られなかった。
DRMフリーの楽曲は、以前からiTunes利用者の多くが求めていたことだ。しかし、米国最大規模の音楽小売業者であるiTunesでのDRMフリーの楽曲提供は喜ばしいことばかりではない。ヒット曲の中には値上がりするものもあるだろうからだ。また、一部からは、Appleが価格設定で譲歩したと受け止められるかもしれない。ppleの支持者は長い間、大手レコード会社からの強い不満にも関わらずAppleが価格設定を維持してきたことに対して賞賛してきた。
同消息筋の1人によると、旧作の楽曲は1曲当たり79セントに下がるが、レコード会社は、一部のヒット曲の価格を99セント以上に設定する機会を得ることになるという。しかし、こうした曲もいずれは79セントに下がることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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