富士通は11月6日、シニア層をターゲットにしたPC「FMVらくらくパソコン」(FMV-BIBLO NF/BR)を発表、本日より発売開始した。価格はオープンで、市場想定価格は17万9800円という。
FMVらくらくパソコンは、携帯電話でもおなじみとなっている「らくらく」を冠し、使いやすく改良したキーボードやランチャーなどのソフトウェア、専用のアフターサポートを特徴としている。筐体は、秋冬モデルであるFMV-BIBLO NF70(実売価格15万円前後)をベースに改良した。
キーボードは、キーを少なくするためNF70では付属するテンキーを取り払い、18mmのキーピッチを19mmに広げた。キートップのアルファベット表記も大きく見やすくしたほか、英語の表記を減らした。また、よく使う文字キーや母音キー「A」「I」「U」「E」「O」と「L」キーを色分けして、どこに手を持って行けばいいか分かりやすくしたものが「らくらくキーボード」だ。好評ならば、通常のシリーズにも採用する考えだ。
電源を入れると、メールや検索などよく使う機能を集めた「らくらくメニュー」が最初に表示される。選ぶだけで目的のソフトが起動し、ソフトを探したりクリックして起動したりする手間が省けるしくみだ。
らくらくメニューではなるべく敷居を低くするため、例えば飲食店などを検索する場合でも、お店のジャンルや食べものの種類などメニューから知りたい項目を選んで探せるようにしている。選んでいき、「どこで食べたいですか?」といった質問にキー入力して答えると、「すし」「浅草」などユーザーが意識せずにand検索ができるしくみだ。
Windowsのシャットダウンも、メニューから選択することなく電源ボタン1つで行えるなど、家電として直感的にわかりやすいものにしたという。
サポートは、1年間何度でも無料で利用できる、購入者専用の電話相談窓口を用意。サポートの中でもよりわかりやすく話せる人、ゆっくり話を聞き出せる人を配置したという。別料金で、専任スタッフが訪問してセットアップするサービスも用意したほか、専用ホームページを設け、パソコンの基本操作や活用方法なども動画で解説する。
「これまで、サポートの窓口は“受け”の世界だったが、FMVらくらくパソコンでは、どちらかといえばお客様がやりたいことを聞いて、どうすれば実現できるかに踏み込んでいく」とパーソナルビジネス本部本部長代理の三竹兼司氏は語る。
PCの世帯普及率は85%を超えているものの、ネットサービス利用率は高いとは言えず、まだ使いこなせる人は限られているという。また、総務省の中高年層のパソコン利用率調査によれば、60歳を境にパソコンの利用率が50%以下にとどまる。
同社の調査によれば、パソコンにチャレンジしたい気持ちはあるが、不安感を持っている、パソコンを持っていても、困ったことがあるたびに身内を頼るのも気が引けるなどの回答が多かったという。携帯電話「らくらくホン」で培ったノウハウを活かし、使いやすいソフトとハード、サポートなどを組み合わせて不安を解消する製品を作り上げたという。
なお、シニア層に訴求するため、水戸黄門のテレビCM枠で広告を展開する。また同社の販売サイトWEB MARTでは、日経ビギナーズとコラボレーションし、白い天板でメモリの容量やサポート期間を延長した限定モデルも販売している。
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