Appleのイベントには、常に多くのうわさや推測が付き物だ。「ノートブックにスポットライトが当てられる」という公式招待状が送られた、米国時間10月14日のイベントも例外ではない。
Appleは、14日午前に多くのジャーナリストをカリフォルニア州クパチーノの本社へ招き、ノートブックの最新ラインアップを見るように呼びかけてきた。しかしながら、Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏が、実際のところ何を公開することになるのかは、まったく謎に包まれている。
複数の「スパイ写真」や流出画像とされるものから、新たなデザインのノートブックの登場を予想する記事が、さまざまなブログ上で出回ってはきたものの、当然ながら、これらはすべて単なる憶測に過ぎない。とはいえ、すでに2年以上は変更がない「MacBook」のラインアップに、大きな再設計が加えられるのではないかというのが共通認識でもあるだろう。
また、内部構造にも、若干の興味深い変更があるかもしれない。12日には、Appleを巡って、引き続きIntel製のCPUを採用しつつも、新たにNvidia製のグラフィックスチップセットへと移行する可能性に着目し、一連の新たなうわさが流れ始めた。
アルミニウム筐体を装備した、ローエンドのMacBookを巡るうわさも、この数カ月は絶えることがなかった。すでに「MacBook Pro」では、アルミニウム筐体が採用されているため、その可能性も確かに否定できないだろう。また、Appleが「MacBook Air」で採用している、LEDバックライトの搭載もうわさされている。
新たなチップセットおよび新たな筐体は、MacBookおよびMacBook Proの製造コストの増加にもつながりかねない。それにもかかわらず、Appleは、より低価格のモデルという選択肢も用意するかもしれない。
Appleが、800ドルのノートブックを提供するのではないかといううわさも、かなり広まってきている。それは現行の製品の廉価版というよりは、まったく新しいモデルになり、おそらくは光学ドライブを廃して、メモリやハードドライブの容量を落とし、装備されるポート数も減らしつつ、現在のMacBookに近いデザインを維持した、現MacBookの下位機種に位置する製品になるのではないかとの推測が多勢を占めているようだ。だが、あくまでもこれも憶測に過ぎない。(800ドルという)販売価格に関しては、Appleが、他の主要なPCメーカーが販売している、多種多様なノートPCと同価格帯で勝負できるようになることをも意味している。
現在われわれは、まさに経済危機の最中にいるものの、Appleとしては、これまでDellやHewlett-Packard(HP)などが価格競争に走っても、あまり大きな影響を受けてはこなかったと評されており、このタイミングで低価格モデルを投入するのは解せないところかもしれない。
Appleは、MacBookのベースモデルの価格を、現在は1099ドルに設定しているが、Dellの「XPS 1330」シリーズや、HPの「Pavilion dv3500t」シリーズなど、類似のノートPCと、それほど価格面で差があるわけではない。しかしながら、市場をリードするDellやHPは、一般的にAppleよりも、一層のカスタマイズが可能な低価格オプションの提供を、これまで続けてきた。たとえば、HPは75ドルで、2Gバイトから4Gバイトへのメモリアップグレードを提供している。一方、Appleは、(同様のアップグレードを)200ドルで提供している。
こうした状況にもかかわらず、Appleは着実に、DellやHPに対抗して、市場で急成長を遂げている。IDCによると、2008年第2四半期中に、Appleは、米国内市場での売り上げを38%伸ばした。米国市場シェアトップのDellの売り上げは、同時期に11.5%増、HPは6%増にとどまった。
現状では、市場シェアという面で、Appleは、DellやHPに遠く及ばないものの、着実にシェア拡大を続けている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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