Appleはたしかに、「iTunes」の運営で利益が出なければ、同サービスを閉鎖する「可能性がある」と語った。Appleの声明はこちらの4ページを参照(PDFファイル)。
Fortune誌は、米国時間9月30日に衝撃的な記事を掲載した。同記事によると、Appleはかつて、楽曲のロイヤリティーが値上げされたら、iTunesを閉鎖する可能性があると語ったという。Apple幹部の声明をより詳しく読むと、遠回しの脅しとも取れる。それはともかく、AppleはiTunesを閉鎖できるのか。
無論、やってできないことはないが、果たして閉鎖する可能性はあるのか。
まず、これは、AppleのiTunes Store担当バイスプレジデントEddy Cue氏が、2007年4月以前にCopyright Royalty Board(CRB)に送付した声明に書かれていたもので、今から18カ月以上も前の話だ。CRBは、3人の審査官で構成され、法定著作権ライセンス料の値段を決定している。全米音楽出版社協会(NMPA)は、オンラインダウンロードストアが販売している楽曲に対して支払うロイヤリティーを値上げする案をCRBに出しており、CRBは10月2日にこの案を裁定する予定である。NMPAは、ロイヤリティーの価格を現在の1曲当たり9セントから15セント(66%増)に値上げしたい考えだ。
この件についてNMPAの関係者からコメントは得られなかった。
Cue氏はCRBに送付した書簡の中で、iTunesで販売している楽曲の価格を上げれば、販売量が減り、顧客の増加に歯止めがかかり、さらにアーティストへの支払いも減るのは間違いないと述べている。仮にiTunesがロイヤリティーの値上げを受け入れれば、売り上げが減少する可能性がある。これはAppleにとっては受け入れがたいことだ。
以下はCue氏の声明の要点だ。「Appleはこれまで、このビジネスを行っているのは利益を上げるためだと繰り返し明言してきた。利益を出せなくなるのであれば、(iTunesの)運営を継続しない可能性がある」
同社が「繰り返し明言してきた」というCue氏のコメントは、細かく注意してみる必要がある。筆者は、AppleがiTunesを閉鎖することもありうると同社が述べているそのほかの例を見つけることができない。音楽業界の情報筋2人は、iTunesの関係者がレコード会社にこうした声明を発表したことは、交渉の中でも、それ以外の所でも決してないと述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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