テレビの“音量”に革命--おまかせで楽しめるドルビーボリュームとは?

加納恵(編集部)2008年07月03日 12時20分

 ドルビージャパンは7月2〜3日の2日間、東芝の液晶テレビ「REGZA」に搭載されている新音量システム「ドルビーボリューム」について、体験説明会を開催した。

 ドルビーボリュームとは、音量バランスが異なるコンテンツ視聴時でも、テレビのボリュームを動かすことなく、テレビ側が自動的に聞きやすい音量を保ってくれるという新機能だ。現在東芝の液晶テレビ「REGZA」の「ZH500」、「ZV500」の2シリーズ計4機種に搭載されている。

ドルビージャパンのマーケティング部シニア・マーケティング・マネージャーの尾関沢人氏 ドルビージャパンのマーケティング部シニア・マーケティング・マネージャーの尾関沢人氏

 会場では、パワーポイントを交えた機能解説のあと、実際の映像を見ての聞き比べが行われた。ともにドルビージャパンのマーケティング部シニア・マーケティング・マネージャーの尾関沢人氏が解説した。

 テレビ視聴中に、バラエティ番組とドラマ、歌番組と映画など、コンテンツ内容が異なる番組を切り替えると、前者は音声が大きく、後者は小さいという音量レベルの差が出ることがある。ドルビーボリュームは、そうしたコンテンツ間の音量レベルを一定になるよう、補正を行う「ボリュームレベラー機能」を内蔵していることが大きな特徴だ。

 ボリュームレベラー機能では、通常の音声信号調整に比べ、ゲイン増幅量を十分に行うため、バラエティからドラマへとチャンネルを切り替えた際は、ドラマの音声ボリュームを増やし、逆にドラマからバラエティに切り替えた際は音声ボリュームを減らすといった作業を行える。

 この機能は異なるコンテンツ間だけでなく、入力機器間でも同様の効力が得られる。そのため、レコーダーやプレーヤーなどの入力機器に切り替えた途端、ボリュームが低くなるといった現象も解消できるという。

 また、音量を絞った状態での聞こえやすさをサポートする「ボリュームモデラー機能」も装備。小音量時でも音声信号を可聴範囲内にとどまるよう、音の周波数成分を調整する。

東芝のデジタルメディアネットワーク社テレビ事業部日本部参事 本村裕史氏 東芝のデジタルメディアネットワーク社テレビ事業部日本部参事 本村裕史氏

 現在、ドルビーボリューム唯一の採用モデルとなっている東芝、REGZAの商品企画を手がける、東芝のデジタルメディアネットワーク社テレビ事業部日本部参事の本村裕史氏は「新REGZAでは、視聴環境に応じてテレビ側が自動的に映像モードを変更する『おまかせモード』を搭載しているが、音声面でも『ドルビーボリューム』を採用することで、映像、音声の両面で自動調整が実現した。通常こうしたソリューションを搭載すると、音質が劣化してしまうことがあるが、そうした懸念も起こらなかった。ただ、工場出荷時にはどちらの自動調整機能もオンに設定しているので、ユーザーはこの快適な機能を『当たり前』のことと受け止め、体感しにくいことが難点(笑)」と話した。

 ドルビージャパンでは、「ドルビーボリュームの採用は世界でも東芝REGZAが現在唯一。今後はより多くの人にその良さをつたえたい」(尾関氏)とした。

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