電子情報技術産業協会(JEITA)は5月30日、私的録音録画補償金問題に関する見解を発表した。
私的録音録画補償金問題とは、デジタル放送の録画データをハードディスクなどに私的に複製する際の制限を巡って、著作権関連団体とメーカー側が現在対立している問題。総務省のデジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会において、私的コピーを10回まで認める「ダビング10」を採用することで、権利者、放送事業者の間で合意に至っているものの、実際には機器に補償金を上乗せして販売することが条件に求められたメーカー側が反発を強めており、当初予定していた6月2日の運用開始が延期されているのが現状だ。
今回、一連の騒動を受けて見解を発表したJEITAでは、「消費者の意見を十分に踏まえ、デジタル技術の進展に伴って補償金制度を縮小・廃止していくことが原則と考える」と改めて主張。また「ダビング10は、総務省のデジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会において、権利者、放送事業者等の関係団体が合意したもの」とした上で、「これは消費者がよりコンテンツを楽しむことができるようにする方策であり、JEITAとしても、決定どおりに実施すべきものと考える」と同意を示した。
しかしその一方で「ダビング10の実施に伴う録画補償金の要否について関係者間の合意に至っていないことに加え、権利者がダビング10とは関係ない録音補償金の拡充を併せて一体的措置を求めたことも一因となり、現時点においてダビング10の運用開始日が決定できない状況となっている」と説明し、引き続き議論を続けていく意向を表明している。
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