東芝は5月15日、HDD&DVDを搭載したデジタルレコーダーの新製品4機種を発表した。フラッグシップ機「RD-X7」を含む、ハイビジョンレコーダーで、録画メディアにはハードディスク(HDD)とDVD-RAM、-RW、-R、-R DLを採用する。
同社のデジタルレコーダー新製品は、昨年10月に発表した「VARDIA RD-A301」以来、約半年ぶり。今年2月にHD DVDからの市場撤退発表後、初のレコーダー商品となる。
デジタルAV事業部事業部長の下田乾二氏は「HD DVD事業終息の会見以降『VARDIAはどうなるんだ』という声をたくさんいただいた。私どもではHD DVDがなくとも、確固たる信念を持ちレコーダー事業を進めている。今回はRD-X7という待望のハイエンドモデルと、低消費、高速起動を実現したエントリーモデル、RD-S502/S302を発売。新機能としてDVDのダウンロードサービス『DVD Burning』を採用するなど、アグレッシブな仕様も盛り込んだ」と、新製品に対する自信を伺わせた。
また、次世代ディスクなしでレコーダー市場を戦って行くことに対しては、「現時点でもDVDレコーダー搭載機の割合は約75%ある。さらにデジタルレコーダーの販売台数はVTRの半分程度しかない。そうした(開拓の余地のある)市場の中でどう戦っていくかが大事であり、今後も積極的に進めていく」とした。
新製品として発表されたのは、フラッグシップ機RD-X7、エントリー機RD-S502/S302、普及機「RD-E302」の計4機種。全機種に地上、BS、110度CSデジタルチューナーを搭載したハイビジョンレコーダーとなる。上位3機種は、HDDへのMPEG-4 AVC直接録画に対応し、500GバイトのHDDに最長約266時間の長時間記録を実現したほか、DVDにハイビジョン記録が行える「HD Rec」機能を盛り込むなど、長時間記録機能を強化させた。
なお、全機種ともに「ダビング10」対応となっており、放送開始以降は対応コンテンツに関してコピー9回、ムービー1回のダビングが可能。そのほか、HDD内でのコピー、ムーブに対応するほか、プレイリストからのコピー、ムーブにまで対応している。各機種の特徴は下記の通り。
東芝のデジタルレコーダーとしては伝統の型番「X」を冠したフラッグシップ機。1TバイトのHDDに、DVD-RAMカートリッジ対応のDVDマルチドライブを装備する。搭載チューナーは地上、BS、110度CSデジタル×2基、地上アナログ×1基で、デジタル×デジタル、デジタル×アナログのダブル録画に対応可能だ。また、今回の新製品では、本機のみが「スカパー!連動」機能を有する。
フラッグシップ機ならではの特徴として、アップスケーラーに米シリコンオプティクス社製の「HQV ReonVX50」を採用し、DVDの480i/p映像を1080pへとアップコンバートすることが可能。また、独自のDVD1080p/24F出力を備え、映画などのフィルムソースを独特の質感で再現するなど、高画質再生にも力を入れている。発売は6月中旬より。
EPG表示に約6秒、地上、BS、110度CSデジタルチューナー起動に約5秒という高速起動モードを搭載したエントリーモデル。HDD容量が500GバイトのS502、300GバイトのS302の2機種をラインアップしており、両機の差分はHDD容量のみとなる。
また、KDDIが運営するサービス「DVD Burning」に家電製品として初対応。これは、昨年9月にPC用としてスタートしたサービスで、DVD Burningサーバー内にアップされている映画、アニメ、音楽などのコンテンツを自宅のDVDに焼き、視聴、保存ができるというもの。現在3000本以上のコンテンツを揃え、今後も拡充していく予定だ。発売は6月中旬より。
地上、BS、110度CSデジタルチューナー×1基、地上アナログチューナー×1基を搭載したスタンダードタイプのHDD&DVDレコーダー。デジタル×アナログのダブル録画に対応する。発売は7月上旬より。
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