ラスベガス発--Seagate Technologyの最高経営責任者(CEO)であるBill Watkins氏に言わせると、Blu-rayとHD DVDが戦っているが、じつは勝者はハードディスクなのだという。
ここラスベガスで、米国時間1月7日〜10日の会期で開催されているConsumer Electronics Show(CES)の朝食会で、Watkins氏は「Blu-rayが競争に勝利したと言われているが、それは問題ではない。本当の争いは物的流通と電子的配信との間で行われており、Blu-rayもHD DVDもこの争いでは敗者だ。この争いでは、フラッシュメモリとハードディスクが同じ陣営にいる。決着はすでについており、物的流通の陣営は敗北した」と語った。
Watkins氏は当然、自分の利害で話をしているのだが、同氏の話には一理ある(元陸軍兵士で、ロックバンドGrateful Deadのファン歴が数十年に及ぶWatkins氏は、テクノロジ業界では楽しくインタビューさせてくれる部類のCEOに属する)。一般ユーザーはまだBlu-rayやHD DVDのプレーヤーを購入し始めてはおらず、一般ユーザーが購入し始めるまでには、テクノロジ企業が洗練されたオンデマンドサービスやIPTVを販売していると思われる。実際、IPTVは今年のCESの主要テーマになっている。シャープやSamsung Electronics、松下電器産業はみな、テレビを使ってネットから項目や動画を見ることを可能にするコンテンツアライアンスを展開している。
これはSeagate Technologyにとってはよいニュースだ。というのは電子的配信ではハードディスクの売り上げが増大するからだ。「(データが)インターネットの雲のなかにあるなら、何もかもバックアップしなければならなくなるから、ストレージの売り上げが上がる」とWatkins氏は言う。
続けてWatkins氏は「監視市場も大きい。今この瞬間も撮影されているが(私たちはカジノにいた)、それはどこかに保存しなければならない」と語った。
ハードディスクのメーカーは現在、好景気の真っただ中にある。1990年代、生産力の過剰と値引きによって多くの企業が売り上げを鈍らせ損失を出した。それ以来、脱落していった企業は多い。やがて、デジタル動画レコーダーなどの新しい市場が、ハードディスクメーカーの前に出現した。その結果、Seagate TechnologyもライバルのWestern Digitalも2桁成長を迎えている。Seagate Technologyはすでに、終了したばかりの四半期の売り上げ予測を2倍に上方修正している。
また、将来の見通しも明るい。Watkins氏によると、ハリウッドには家庭への大々的なコンテンツ配信に乗りだすしか選択肢はない。人々は家から出ることがどんどん少なくなってきている。映画会社がコンテンツを家庭に配信しないとすれば、人々はインターネットで見つかるものを視聴する。CESではXStreamHDが衛星通信からオンデマンドで映画を入手する装置を披露している。俳優のMichael Douglas氏が出資者の1人だ。
「簡単に手にはいるなら、人々は質の悪いコンテンツでも見てしまう」とDouglas氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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