Palmが目指している全く新しく作り直したモバイルコンピューティング機器は、現行のモバイルコンピューティング機器に限りなく近く、違いはパワーが小さいということだけだ。
Palmの創業者であるJeff Hawkins氏は米国時間5月30日、「D: All Things Digital」(D5)カンファレンスで「Foleo」端末を披露した。Foleoは、10インチのディスプレイを備えた重さ2.5ポンド(約1.14kg)のノートPCであり、Linuxが搭載されている。Hawkins氏によると、Foleoはスマートフォンユーザーが電子メールやドキュメントの読み書きを大きなディスプレイとフルサイズのキーボードを用いて行えるようにと開発されたものだという。
このアイデアは、Palmの「Treo」のようなスマートフォンを利用しており、PC用のWindowsを搭載したノートPCやMacのノートPCを持ち歩きたくないというユーザーであれば、499ドルという価格(100ドルのメールインリベートを引いた価格)のFoleoを、電子メールを1日中書き続けても親指のつらない補助機器として使ってくれるだろうというもののようである。Foleoにはフラッシュメモリが搭載されているため、長い起動プロセスなしに迅速に立ち上がり、Bluetooth接続を用いることでWindows MobileやPalm OSを搭載しているスマートフォンと同期をとることができる。
しかしHawkins氏は、Foleoに搭載されているプロセッサの性能が高くなく、動画再生にはあまり向いていないということを認めている。また、Foleoのバッテリ駆動時間は5時間となっている。搭載されているWi-Fi接続とOperaブラウザによってウェブ閲覧を行うことが可能とはいえ、Foleoはスマートフォンと切り離したスタンドアロン製品として設計されているわけではない。
Foleoにはカレンダーの予定を同期させる機能がなく、同期させられるのは電子メールと連絡先だけである。また、Research In Motion(RIM)の「BlackBerry」ソフトウェアやMotorolaの「GoodLink」ソフトウェアといった広く利用されているモバイル電子メール製品との連携も現時点では行えない。
GartnerのアナリストであるTodd Kort氏は「ここ数年見てきた製品のなかで、最もがっかりさせられた製品だと言ってもいい」と述べるとともに、「10インチのディスプレイで2.5ポンドの重さがあるものを電話と一緒に持ち歩く人がいるという考えは、私には理解できない」とも述べている。
Foleoは「真なるモバイル端末」を開発しようという最新の試みである。PC企業が「Ultra Mobile PC」(UMPC)のような機器を推し進め、スマートフォン企業がデザインに力を注ぎ、競合企業に勝とうと取り組んでいるなか、こういった端末の開発を目指す企業が非常に増えてきている。また、6月にはAppleの「iPhone」が発売されることになっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス