[2007年4月3日 01:24更新] EMI GroupがDRM(デジタル権利管理)技術の施されていない、より高音質な楽曲をAppleのiTunes Storeでまもなく販売する。
EMIが現地時間4月2日にプレスカンファレンスで発表したところによると、同社は取り扱っているデジタル楽曲のすべてを、iTunes StoreにおいてDRMフリーの形で提供開始するという。提供開始は5月の予定。
DRMフリーの楽曲は、PCやデジタルオーディオプレーヤーの種類を問わず再生できる。また、現在のiTunes Storeで販売されている、著作権保護付きのEMIの楽曲に取って代わるものではないと同社は述べる。これはむしろ、iTunes Storeで提供されてきた標準の音楽ダウンロードを補完するものであり、従来の楽曲は1曲99セントで販売されたのに対し、こちらは1ドル29セントに料金が設定されている。
これまでにダウンロード販売されたEMIのトラックにはAppleの「FairPlay」技術が施されているが、ユーザーは30セントで、これをDRMフリーのプレミアム版にアップグレードできると、EMIは述べている。またDRMフリーのフルアルバムは、iTunes Storeにおける従来のアルバムと同じ価格で販売される。
EMIの最高経営責任者(CEO)Eric Nicoli氏は「われわれは、変化を受け入れ、消費者が本当に購入したいと思うプロダクトやサービスを開発することに力を入れている」と述べた。Nicoli氏によれば、社内でテストしたところ、高音質でDRMフリーの楽曲は、コピー防止機能付きで音質の劣る楽曲よりも10倍よく売れるとの結果が得られたという。
EMIのプレミアム版トラックは、ビットレートが大きくなっているため、圧縮後のファイルサイズは大きくなる。
EMIはDRMフリーのプレミアム版をApple経由で提供開始するが、いずれは他の音楽サービスにも提携を拡大する意向だ。EMIの提携先は、販売する楽曲のファイルフォーマットをMP3、WMA、AACから選択できるという。また同社はミュージックビデオもDRMフリーで提供するという。
iTunes Storeでは楽曲が256kbpsのAAC形式で提供されると、EMIは述べる。
ロンドンにあるEMIの本社で開かれたプレスカンファレンスには、バンドThe Good, the Bad & the Queenがステージに立ったほか、Appleの最高経営責任者(CEO)もスペシャルゲストとして登壇した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス