同社は今回も、ユーザーの行動をよく考えたデザインに製品を仕上げている。iPhoneは人の顔が近付いたことを検知する機能をもち、再生中の音楽を自動的に止めて、機能を電話に切り替える。また「アクセロメーター」が画面の縦横を切り替えてくれるため、iPhoneに搭載された機能がいっそう使いやすくなっている。
さらに、iPhoneでは、ユーザーがボイスメールをどう再生するかという点についてまで考慮している。
Jobs氏は基調講演で、「6件のボイスメールがあるときに、最初の5件を飛ばしていきなり6件目を聞くことができたら素晴らしいと思わないか」と述べた。
iPhoneなら、希望のボイスメールから再生することができる。まだ再生していないボイスメールを表示させ、そのなかから希望のものを選ぶことができる。Jobs氏は、AppleがCingularと共同開発したこの技術を「ビジュアルボイスメール」と呼ぶ。
もっともAppleのiPhoneは安くない。Cingular以外の事業者と契約している人の中には、ペナルティ料金を支払ってまで移行することはできないと考える人も多いかもしれないとCurrent AnalysisのSamir Bhavnani氏は述べる。しかし、Appleは携帯電話メーカーとして人々から認知されるうえで、大きな一歩を踏み出したと同氏は述べる。
Creative StrategiesのTim Bajarin氏は、AppleがiPodを発表したときも今回と同様大きな話題となったが、iPodの場合も価格が高かったと指摘する。しかし、ストレージにかかる費用が減り、Appleでの作業効率が増すとともにiPodの価格は下落したことから、Bajarin氏はiPhoneでも同じことが起きるだろうと期待する。
iPhoneと従来の携帯電話の違いは、キーボードにある。Appleは物理的なキーボードを搭載させるのでなく、タッチスクリーン形式の「マルチタッチ」技術を利用することを選択した。Jobs氏は、(物理的なキーボードを採用しなかった理由について)一度、携帯電話にキーボードを付けてしまうと、後から取り外すことはできないし、アプリケーションごとにボタンが違う意味をもつようにすることは難しいからだと説明した。
しかし、「マルチタッチ」技術の採用については、iPhoneのワイドスクリーンが指紋だらけになってしまわないだろうか、という疑問も浮上する。Bajarin氏は、Appleがこの問題を事前に考慮し、汚れや傷が付きにくく、きれいにしやすい素材を利用しているだろうと予測する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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