Advanced Micro Devices(AMD)が、開発途上国向け低価格コンピュータになると期待された「Personal Internet Communicator(PIC)」の開発を中止した。
PICは、AMDの「50x15」プロジェクトの一環として2004年に発表された。同社はこのプロジェクトで、2015年までには世界の人口の半分がインターネットにアクセスできるようにする、と約束した。同デバイスは185ドルで、AMDの「Geode」プロセッサを搭載している。
しかしAMDは先週、売り上げに全く貢献していないため同製品の製造を中止したと、米国証券取引委員会(SEC)への提出書類のなかで明らかにした。
このことは、PICにはほとんど関心が集まらなかったということを意味する。同製品はインドなどの新興市場向けに設計された。しかし、ハイテク都市バンガロールのあるインドのカルナタカ州でIT関連の最高責任者を務めるM.K. Shankaralinge Gowda氏は、この製品のことは全く聞いたことがない、と2005年春のインタビューで語っていた。また、5月に開催された世界IT評議会では、AMDが参加者全員にPICを1台ずつ配ったが、数日後の会場には引き取り手のない箱が山積みになっていた。
PICは、「Simputer」などの各種代替PCが失敗したときと同じ問題に苦しんだ。プロセッサの処理速度が遅く、ディスプレイが付属しないほか、価格もさほど安くはなかったのだ。
しかし、それでも多数の企業や組織が開発途上国へのPC提供に関心を示している。これは単に博愛主義的な理由からではなく、そこには次世代のコンピュータ購入者を囲い込む目的もある。Intelは学生向け低価格ノートPCを独自に用意しており、Microsoftは携帯電話を使ったインターネット接続を提案している。このほかにも、マサチューセッツ工科大学とNicholas Negroponte氏が「One Laptop Per Child」構想に力を入れている。One Laptop Per ChildにはAMDのGeodeプロセッサが採用されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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