ソニーは9月6日、インターネットを介して外出先や海外でも日本のテレビ番組を閲覧できる「ロケーションフリー(ロケフリ)」の新端末「LF-PK20」(10月20日発売、市場想定価格:3万3000円前後)と「LF-BOX1」(10月27日発売、同:2万3000円前後)を発表した。
LF-PK20は、ノートPCやPSPなどのモバイル機器で映像を閲覧するための「ロケーションフリー ベースステーション」で、動画圧縮技術「MPEG-4 AVC(H.264)」に対応した。従来モデル「LF-PK1」の製品と比べ、同じビットレートでもより鮮明な画像を見ることができる。また、外出先から見るためのセットアップが簡略化され、初期設定が簡単になった。ルータとワイヤレスで接続が可能になり、ケーブルレスでルータとベースステーションを別の部屋で設置できるようになったほか、DVDレコーダーなどの外部接続機器のリモコンデータを認識する「学習リモコン」機能が付いた。
LF-BOX1は、別室のテレビなどで映像を視聴するための「ロケーションフリー TVボックス」だ。ベースステーションLF-PK20と組み合わて使用するもので、自宅の別室のテレビや海外の滞在先のテレビでも、LF-PK20と接続されているDVDレコーダーの番組などを見ることができる。なお、旧モデルのLF-PK1との接続も可能だ。すでに持っている人は、設定画面からバージョンアップをすれば、LF-BOX1との接続が可能になるという。
PCで閲覧するには専用ソフトが必要になる。WindowsPC用ソフトの新バージョン「LFA-PC20」(10月20日発売、市場想定価格:2000円前後)も同時発表された。MPEG-4 AVC、16:9のワイド画面に対応したほか、セットアップの設定が簡単になった。また、端末操作時の「操作レスポンス」なども大幅に改善したという。
このところ、ロケーションフリーと競合する製品が登場している。ソニー ビデオ・テレビ事業本部 LFX事業室 室長の前田 悟氏は、「競合が出てくるのはマーケットがあるということ。このコンセプトは長くやってきており、マーケットを開拓してきたと思う。他社へソフトウェアのライセンスしていくこともアナウンスしており、一緒にマーケットをつくっていきたい」とコメントし、先駆者としての余裕を見せた。
発表会の中で前田氏は、新規商品には「プロダクトブランニング、テクノロジー、マーケティング」の3つの要素が必要だと話した。これは、ソニー創業者である盛田昭夫氏の言葉なのだという。「失敗したときはどれかが欠けている」と、前田氏が手掛けてきた数々の製品を振り返った。「TVの視聴スタイルを変えていく。盛田のつくってきたことを忘れないでいいものをつくっていきたい」と、前田氏は意気込む。
ロケーションフリーは、ライセンス提供により、ウィルコムの「W-ZERO3」やアップルの「Mac OS X」などにも対応する見込み。現在、ライセンスはすでに20社以上からオファーがあるとしており、今後の新たな対応機器の登場が期待される。
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