Entertainment Software Associationが米国時間7月31日にゲーム業界最大の見本市「Electronic Entertainment Expo(E3)」の規模を縮小し、開催時期を5月から7月に変更すると決定したことにより、ゲームメーカー各社は、タイトルが店頭に並ぶだいぶ前の時期に、デモの準備に追われる必要がなくなるかもしれない。
「(わが社の)仕事場はこのニュースに喜んだ。(E3が)2007年後半に延期されることで、開発サイクルに余裕ができるためである」とElectronic Arts(EA)の企業コミュニケーション担当ディレクターを務めるTrudy Miller氏は述べた。「そして(E3を訪れた)メディアや人々に対し、より『本物に近い』デモや、しっかりしたゲームを見せることができる」(Muller氏)
1995年に初めて開催されたE3は、世界最大のショーの1つに成長した。2006年のショーでは6万人の参加者を集めている。EA、Activision、Ubisoft、そしてその他多くの開発者やパブリッシャーにとって、これは年末商戦期に向けて発売されるゲームを、5月中旬までにプレイ可能なゲームのデモとして用意しなければならないことを意味していた。これは容易なことではない。またはゲームをE3で見せるために、何時間もの特別なコーディング作業が必要となることもあった。
しかしE3が2007年7月に開催される見込みとなったため、開発者はこの時期まで開発作業そのものに専念することができ、製造スケジュールもスムーズに運ぶであろう。Game Developers Conference(GDC)のディレクターを務めるJamil Moledina氏は、E3の開催が2カ月先に延ばされたことの影響は大きいという。GDCは毎年3月に開催され、ゲーム関連の見本市としては2番目の規模を有する。
Moledina氏によると、ビデオゲームの開発サイクルは従来、次のようになっていたという。まず、GDCに間に合うように、パブリッシャーに見せるためのゲームのプロトタイプを作成する。これに続いて2カ月後のE3に向けたフルバージョンのデモが出されるという展開だ。E3が7月に先送りされるということは、パブリッシャーにとっては2カ月の余裕ができたことを意味する。
EAなどのパブリッシャーは、これまでより完成版に近い形でゲームの品揃えを披露することになりそうだと、Muller氏は言う。「製品公開の時期に近づくため、5月のデモを作成するために特別に時間を割く必要がなくなる」(Muller氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス