LinuxベースのMotorola製携帯電話機「MING」の中国での成功は、今やオープンソースのプラットフォームが、ハンドヘルド機器用ソフトウェアプラットフォームの分野における、SymbianやWindows Mobileの強力なライバルとなったことを意味しているのだろうか。
市場調査会社のCanalysによると、3月に中国でLinuxベースのスマートフォン「MING」を発売した米Motorolaは、2006年第2四半期に、中国だけで同スマートフォンを100万台以上出荷したという。このMING以外で、Motorolaが最近中国で発売したLinuxベースのスマートフォンとしては、音楽対応携帯電話「ROKR E2」などが挙げられる。
Canalysによると、Motorolaは最近の中国における好業績のおかげで、携帯電話機市場でResearch In Motion、Sharp Electronics、Palmを抜き、世界第2位の地位を確固たるものにしたという。しかし、そのMotorolaもトップを走るNokiaには利益で大きく水をあけられている。
Motorola Asiaのモバイル機器担当バイスプレジデントのAlan Nicklos氏によると、2006年後半には他の「高成長市場」でもMINGスマートフォンを発売するという。同社が高成長市場と見ているのは、アフリカ、南西アジア、北アジア、東南アジアの4つの地域だ。
携帯電話に組み込むアプリケーションでLinuxをサポートする動きは徐々に活発化しており、2006年に開発されたいくつかの機種でもその傾向が見て取れる。
6月に、Motorola、NEC、NTTドコモ、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、サムスン電子、Vodafoneの携帯電話メーカー6社が、世界共通の携帯電話向けLinuxプラットフォームを構築するための組織を設立した。
同組織は、API(Application Programming Interface)の仕様とアーキテクチャの共同開発およびマーケティングを行う計画だ。また「コミュニティベースの開発やプロプライエタリ開発の利点」を活かしながら、リファレンス実装のコンポーネントやツールをサポートしていくという。
人気のモバイルLinuxプラットフォームの開発会社であるノルウェーのTrolltechの共同設立者Eirik Chambe-Eng氏によると、Linuxの導入により、ハンドセットメーカーや相手先ブランド製品の製造メーカー(Original Equipment Manufacturer:OEM)は「完全な支配権」を手に入れるため、MicrosoftやSymbianが入り込む余地はないという。
TrolltechはQtopiaと呼ばれる開発環境やグラフィックユーザーインターフェースのプロバイダーで、多くのLinux携帯電話機メーカーが同社の技術を導入している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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