ワシントン州レッドモンド発--Microsoftは米国時間7月27日、携帯電話をベースとしたPCのプロトタイプを発表した。いつの日か、これが新興市場向けの低価格PCとして投入される可能性がある。
最高研究戦略責任者(Chief Research and Strategy Officer)のCraig Mundie氏が披露したのは、2006年1月に開催された「World Economic Forum」での議論をきっかけに生まれた「FonePlus」デバイスだ。Microsoftは同デバイスの作成にあたり、テレビディスプレイやキーボードに接続可能な携帯電話機を利用し、これにOSの「Windows CE」を組み込んだ。
「われわれを含む多くの人たちがPCのコストを下げるため、様々な方法を検討してきた。その1つが世界に普及している携帯電話を使用することだ」とMundie氏は述べた。
Microsoftはこれまで、新興市場向けの低価格PCを作ることににあまり積極的ではないとして非難を受けてきた。Mundie氏は、発展途上国でも多くの人たちが電話やテレビを所有しているため、これらを利用したデバイスを作る方が低価格PCを作るよりも容易だ述べた。
「このFonePlusがあなたの最初のコンピュータだったとしよう。さてこれを使って何ができるだろうか?」とMundie氏は述べながら、「Internet Explorer」「Word」「Windows Media Player」の簡易版を使った文書作成、マルチメディアコンテンツの再生、ウェブブラウジングなどをして見せた。
Microsoftはこれを製品化するとは現段階では述べていない。「これから、このデバイスを市場に投入するまでにするべきことを検討するつもりだ」(Mundie氏)
これに加えて、Microsoftでは発展途上国向けにPCの従量課金サービス「FlexGo」を提供する取り組みも進めている。同計画は、PCのコストそのものを下げるものではないが、これにより新興市場の人々は低価格でPCを使い始められるようになる。はじめにPC代の半分を初期料金として支払い、その後は1時間あたりの利用料金を支払っていく仕組みだ。
同社が発展途上国向けに展開している低コストPCプログラムとしては他に、廉価版Windowsの「Windows XP Starter Edition」の提供などがある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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