ゲームマニアは、標準的なQWERTYキーボードのレイアウトに文句をつけたがる。人間は1人ひとりの手の大きさが異なるうえ、どのプレイヤーにも独特なキーの叩き方があるからだ。
したがって、「DX1 Input System」を最初に考えついたのがゲームファンだったのも当然だと言える。この製品は、移動可能な「スマート」キーを持ち、それにマクロを割り当てて、ゲームの裏技やソフトウェアコマンドを実行することができる。キーのレイアウトを自分の好みや作業形態に合わせてカスタマイズできれば、その分効率が上がり時間も節約できることは、フライトシミュレーターの操縦にも、表計算ソフトの操作にも当てはまる。
この製品を開発したErgodex(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)のソフトウェアアーキテクトPankaj Gargは、「これらのキーは生テープと同じだ。好みに合わせてどうにでもなる」と説明している。
このキーボードでは、たとえばキーにマクロを割り当てて、何度も繰り返す必要のある複雑なソフトウェアコマンドの入力を省くといったことが可能だ。この機能は、ビデオ編集、ワードプロセッサ、画像編集ソフトなどのほか、ゲーム、電子メール、ウェブブラウザなど、入力にキーボードを使うアプリケーションなら、どれにも利用できる。その上、マクロがアプリケーションごとに簡単に切り替えられるようになっているため、Photoshop、Excel、「Counter-Strike」などを次々切り替えても、Ergodex DX1のソフトウェアが自動的にキーのプロファイルを変更するようになっている。
Mitchell Freemanは、Officeアプリケーションのフォーマット作業にDX1を使っている。しかし、同氏が最大の魅力を感じているのはその柔軟性だ。同氏は大規模なマルチプレイヤーオンラインゲームの熱心なファンでもあり、「EverQuest」や「World of Warcraft」で困難な状況に陥ったときにも、このカスタマイズしたレイアウトのキーボードを駆使して苦境を脱しているという。
Ergodexのキーボードは無線式で、USBケーブルでコンピュータと接続する24センチX16センチのベースステーションが付属する。また、キーパッドには2つのボタンがあり、1つは同ソフトウェアの起動用、もう1つはマクロ割り当て用となっている。
各キーは、粘着性の物質でパッドにしっかり装着される。このパッドは透明のプラスチックカバー付きで、ユーザーがゲームなどの各種アプリケーションに関連するスキンを装着することも可能だ。
各キーの種類を特定するには、文字やファンクションキーといった一般的なシンボルや、あまり一般的でないチェスのコマ、手榴弾、ピストルといったアイコンがあらかじめプリントされたラベルを使う。特定のアプリケーションを操作するのに25種類のキーでは不十分な場合は、26〜50番のキーを別途購入することもできる。 これにより、ユーザーは一度に最大50種類の設定が可能なキーが使えるようになる。
ErgodexのCEO、Larry Kellyは、「このキーボードのユーザーは完全な柔軟性とコントロールを実現できる。これは、無限の組み合わせが可能な入力デバイスだ」と述べている。
149.95ドルのこのキーボードは3月に出荷が開始されており、まもなく「ThinkGeek」のようなオンライン通販サイトや、ゲームPCメーカーのFalcon Northwestなどを通じて入手可能になるという。
このシステムはWindows 2000とWindows XPに対応しており、同社では今後Mac OS XとLinuxにも対応する計画だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」