暴力的な表現を含む、あるいはEntertainment Software Ratings Boardによって「M(成人向け)」と分類されたゲームの未成年者への販売禁止を目指す動きが、全米の州議会議員の間で広がっている。
米国時間3日にはアーカンソー州の州議会議員Shawn Womackが、「M」に分類されたゲームの販売/レンタルを制限する法案を議会に提出した。同法案は、ゲームの販売/レンタル業者に対し、「M」と分類されたゲームを床から5フィート(約1.5メートル)以上の場所に陳列するよう求めている。同法案が可決されれば、違反業者はアーカンソー州保健局に500ドルの罰金を支払わなければならなくなる。
ワシントン州では、未成年者がビデオゲームに触発されて犯罪に及んだ場合に、ゲーム会社にも法的責任を問えるようにする法案が議会に提出された。法案は、Mary Lou Dickerson、Jim McCune 、Jim McDermottの3人の州議会議員によって作成された。
同法案の対象となるのは、「非常にリアルな暴力的表現」が含まれるゲーム。「これらのゲームは、ロマンチックで様式化されたものとして暴力を演出している。その結果、達成感を味わったり、快楽や娯楽に興じ、自己顕示欲を満たしたりするための手段として、子供や青年を暴力や殺人へと駆り立てている」と同法案には記されている。
法案作成者らは、同法案のなかで、暴力的ゲームと未成年者の行動との関係を題材にした研究レポートに言及している。こうしたゲームの影響で子供たちはより攻撃的になり、現実世界の暴力に対し鈍感になるというのが、研究レポートの内容だ。「暴力的犯罪に及んだ容疑者が、ビデオやコンピュータゲームに出てくる暴力を意識的に真似したことを認めたという報告が、全米の警察官から寄せられている」(同研究レポート)
最近では、アラバマ州で警察官3人が殺害された事件について、遺族が、ゲーム「Grand Theft Auto」の開発元Take-Two Interactive Softwareおよびその関係企業数社を提訴した。容疑者がゲームにより「動機付けられ、訓練された」というのが、その理由だ。
ワシントン州議会に提出された法案は、犯罪を助長した疑いのあるゲーム会社にも法的責任を負わせるためのものだ。だが、これに対しては、加害者の責任を他者に転嫁するとして、非難の声も上がっている。Washington Software AssociationのメンバーであるLew McMurranは、シアトルのテレビ局で次のように語った。「(同法案は)全く関係のない人間に責任を押し付けることで、犯罪を犯した本人の責任を取り除こうとするものだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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