Apple Computerは、ライバル各社がMac OS X「Tiger」を真似てくるだろうと予想しているが、実は人のつくったものを真似ているのは新しいMac OS Xの方だ、というのがあるソフトウェア開発者が話している。
Arlo Roseは、Appleの発表したDashboardが、自らの開発した「Konfabulator」にあまりにも似ていることに憤慨している。同氏のつくったこの25ドルのMac用プログラムは、米国時間28日朝にApple CEO(最高経営責任者)のSteve Jobsがプレビューを行った機能と、あまりにも共通点が多いことから注目を集めている。いずれのプログラムも、「Widgets」と呼ばれる小さなプログラムを簡単に利用できるようにするもので、これらのプログラムを使って多数の便利な細かい作業を行う仕組みになっている。
Roseは電話でのインタビューに答え、「まさに侮辱としか言いようがない。少なくとも協力を要請したり、買い取る提案ができたはずだ」と語っている。
Apple側は、Widgetsが以前からMac OS XとNextStep OSに搭載されていたものであることに言及し、Dashboardは自社開発製品だ、と主張している。
Appleのシニアバイスプレジデント、Phil Schillerはインタビューの中で、「何かを真似ることが目的ではない。これは彼の作品ではない。われわれの開発したものは、われわれのものだ」と語った。
Roseと共同開発者のPerry Clarkeは、Konfabulatorを2003年の2月にリリースした。Roseは、「われわれがこれを世に出したときには、似たようなものは全くなかった」が、しかし今では模倣プログラムが市場にあふれていると説明した。
Roseによると、Appleは、外部の開発者の努力を踏みにじることで、Mac用ソフトウェアを開発する意欲を失わせる危険を冒すことになるという。
「こんなことなら、Appleのプラットフォーム上で動くソフトウェアをどうして開発したいなどと思うだろうか」(Rose)
Appleは、新しいMac OS Xの機能を、Microsoftが次期Windows「Longhorn」で模倣してくると決め込んだ一連のポスターをカンファレンス会場に張り出しているが、今回の論争はそうした状況で起こったものだ。このAppleのポスターには、「Redmond, start your photocopiers(Microsoftのみなさん、どうぞコピーしてください)」といったスローガンが書かれている。
AppleがMac OS Xに他人の作品を模倣したとも取れる機能を追加するのは、実は今回が初めてではない。同社は以前にも、Sherlock検索ツールを拡張して、映画の上映時間や職業別広告欄のページなどの機能を追加した際に、このソフトウェアが「Watson」と呼ばれるサードパーティー製のツールに非常に近い形になったことがある。
Roseは、Tigerが来年まで出荷にならない点を逆手にとり、この逆境に善処しようとしている。
新たに上げられたKonfabulatorのホームページには、「Cupertino: Start your photocopiers(Appleのみなさん、どうぞコピーしてください)」とある。また、「Why wait until the first half of 2005, when you can get the original Dashboard now?(Dashboardのオリジナルは今すぐ入手できます。2005年前半まで待つ必要はありません)」とも書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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