松下電器、デジタル一眼「DMC-L1」を国内初披露--フォーサーズ対応

エースラッシュ2006年03月23日 21時35分

 松下電器は3月23日、「Photo Imaging Expo 2006」において、2006年に投入予定である「フォーサーズシステム」対応のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「LUMIX DMC-L1(DMC-L1)」を国内の展示会において初めて公開した。

 フォーサーズシステムは、4/3型のイメージセンサーを使ったデジタル専用設計レンズを使用するデジタル一眼レフカメラの新規格。カメラボディーのレンズマウントを標準化することで、異なるメーカーのボディとレンズを組み合わせて使用できることが特徴だ。松下電器は、2005年1月にオリンパスと共同開発を行うことを発表し、2006年2月26日には米国で開催された「PMA 2006」において、その成果であるDMC-L1を発表した。これは、同社としては初のデジタル一眼レフカメラとなる。

「LUMIX DMC-L1」

 オリンパスとの協業内容は、フォーサーズシステムの一眼レフカメラに関する要素技術やキーデバイスの共同開発、両社それぞれの商品戦略に基づき共同開発の成果を商品化、フォーサーズシステムの普及をめざし賛同会社の拡大と商品化の推進という3点。これに基づいて共同開発されたのが、LiveMOSセンサーとミラーボックスユニットだ。LiveMOSセンサーは、CCDセンサーの高画質とCMOSセンサーの低消費電力という特徴を併せ持っている。

 この技術をもって開発されたのがDMC-L1だ。7.5メガピクセルのLiveMOSセンサーを内蔵し、新開発の画像処理エンジン「Venus Engine III」を搭載。ボディは軽量かつ堅牢なマグネシウム製で、シャッターダイヤルは右手親指で操作する位置に配置されている。記録媒体はSDメモリカードおよび、最大32GBまで大容量化できるSDカードの上位規格「SDHC」にも対応し、今後発表される大容量メディアにも対応するという。また、液晶はプレビュー用ではなくフルタイムライブビュー対応となっており、三脚使用時などを含めて操作しやすくなっている。

 背面の液晶は固定式になっており、角度を変えて画像を確認することはできない。これについて、パナソニックAVCネットワークスのDSCビジネスユニット長、吉田守氏は「PMAでも質問があったが、クラシカルなスタイルを目指したこともあり考えに入れていなかった。今のところ固定で商品化したいと考えている」としている。

パナソニックAVCネットワークスのDSCビジネスユニット長、吉田守氏

 同時に発表されたレンズ「LEICA D VARIO-ELMARIT Lens 14-50mm F2.8-3.5 ASPH」には、絞りリングを搭載。ボディのシャッターダイヤルとともに、手元で直感的な操作を行えるのが特徴だ。銀塩カメラに親しんだユーザーにも使いやすい、写真を撮ることそのものの楽しさを追求したという。吉田氏は「オートで気軽に撮影することもできるが、L1ではぜひマニュアル操作を楽しんで欲しい。じっくりと腰をすえて写真を撮る人に使っていただきたいカメラだ」と語る。

 発売時期は2006年夏から秋を目指す。現在、すでに金型はできあがっており商品設計のステップに入っているということだ。価格については「あえて言うならば12万円から30万円の間。これまでも安いカメラを作ってきたつもりはないが、高い価格設定で使ってもらえないというのでは意味がない」と吉田氏が語っている。松下電器では、2006年のグローバルシェア10%獲得を目指している。2005年の同社出荷台数は413万台程度で、前年比約2倍となっている。2006年の市場規模を8000万台程度と予測し、倍増となる年間出荷台数800万台を目指す予定だ。

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