特許侵害判決の破棄を求めたソニーの訴えが退けられた。これにより、PlayStationの販売が停止される可能性が浮上してきた。
カリフォルニア州北部地方裁判所のClaudia Wilken判事は先週、ソニーはImmersionが振動型ゲームコントローラを巡る訴訟で情報の隠匿を試みたことを証明できなかったため、同社にはImmersionの特許を侵害したとする判決に対する救済措置を受ける権利がないとの判断を下した。
ソニーは2004年に、Immersionが起こした特許侵害訴訟に敗訴した。Immersionは、「Madden NFL 2006」などのゲームで、タックルされるなどのイベントに反応してゲームコントローラなどのデバイスを振動させる「触覚」技術を開発し、他社にライセンス提供している。
この裁判の陪審員らは、ソニーのDualShockコントローラがImmersionの技術を侵害していると判断し、同社に対してImmersionへ8200万ドルの損害賠償金を支払うよう命じる判決を下した。賠償額はその後9070万ドルに増やされ、Wilken判事が米国におけるPlayStationとコントローラ、および振動技術を利用するゲームの販売差し止めを提起した。この差し止め命令は現在保留中で、連邦控訴裁判所で審理中の上訴審の結果待ちとなっている。
ソニーは、Immersionが、同様の技術に関する特許をImmersionに先駆けて取得していた発明家のCraig Thornerとのやりとりを隠蔽したと主張した。また、ソニー側の弁護士らは、ImmersionがThornerをコンサルタントとして雇用することで、Thornerが自身の特許を基盤にしてプロトタイプを開発したことをソニーに隠そうとしたと主張。これに対し、Immersionは、ソニーが裁判中にこの情報を見つけられたにもかかわらず、気付かないふりをしたと主張し、同判事もこれに同意した。
Immersionの最高経営責任者、Vic Viegasによると、Immersionは問題の技術をLogitechやMicrosoftなどの企業にライセンスしているという。ソニーは、判事に命令された強制ライセンス契約により、Immersionに対してPlayStationの四半期売上高の1.37%を支払っている。だが、Immersionの標準ライセンス料率は5%となっており、差し止め命令が料率引き上げに結びつく和解につながることを期待していると、同氏は述べた。
ソニーの関係者にコメントを求めたが、すぐに回答を得ることはできなかった。
なお、上訴審の状況説明は今月中に終了する見通しだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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