サンフランシスコ発--Intel MacでWindows Vistaが簡単に動くといいな、と考えてはいないだろうか。
それはたぶん無理だという考えを、Apple Computerのあるエンジニアが米国時間3月9日に示した。
現在、Mac OS XもWindowsも同じIntel製プロセッサで動くようになっているが、この2つのOSは起動の方法が異なっており、それがIntel MacでWindowsを動かす上での大きな障害の1つになっている。
Macファンの間には、Windowsの次期バージョンが現行の「Windows XP」よりも簡単にMac上で動かせるようになるという、かなり大きな期待がある。これは、Windows VistaがMac OS Xと同じく起動の仕組みとして「Extensible Firmware Interface (EFI) 」を採用することになっているからだ。これまでのWindowsは起動時に「Basic Input Output System (BIOS)」を利用している。
だが、AppleのCameron Esfahani氏(シニアソフトウェアアーキテクト)は、EFIをサポートするのはVistaの64ビットチップに対応した バージョンだけだと自分は理解していると述べた。それに対して、いまのところ、Intel Macはどのモデルも32ビットチップを採用してる。
当地で開催されたIntel Developer Forumのこのセッションのなかで、「Intel MacでWindows Vistaが動くかどうか」と尋ねられたEsfahani氏は、「私はそうは思わない」と答えた。
さらに、EFIは多くの古いタイプのソフトウェアやハードウェアをサポートする見通しだが、AppleはEFIの実装のなかにそうした「レガシー」なコードをあまり含んでいない。
「WindowsはレガシーOSだ」と同氏が述べると、会場を埋め尽くした聴衆の間から笑いと歓声が巻き起こった。「われわれは、レガシーOSをサポートしていない」(Esfahani氏)
Appleが初めてのIntel Macをリリースして以来(あるいはその前からすでに)MacファンはApple製以外のPCでMac OSを動かそうとしたり、Intel MacでWindowsを走らせようとする試みを続けてきている。ただし、乗り越えなくてはならない法律や技術面の問題が数多くあり、どちらの試みも簡単にはいかないことが分かっている。
AppleはMacユーザーが自分のマシンでWindowsを動かそうとしたり、実際にそうすることを邪魔したりはしないが、正式に(Windowsを)サポートすることもないと言っており、Esfahani氏も話のなかでこの点を明言した。一方、他社製のハードウェア上でMac OS X を動かすことについては、Appleはこれを禁じる対策を講じている。
同社は2005年6月に、すべてのMacに搭載するプロセッサをインテル製品に切り替えることを発表した。初めてのIntel Macとなった新型iMacとMacBook Proは1月に登場し、3月初めにはインテルチップ搭載のMac miniも発表された。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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