ハイテク版「ひらけゴマ」--Windowsマシンを声で操れるソフト

文:Amanda Termen(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年03月01日 20時14分

 仕事から帰ったときに話し相手がいなくて寂しい思いをしたことがあるなら、One Voice Technologiesのソフトウェアが悩みを解消してくれるかもしれない。

 同社の開発するWindows XP Media Center用アドオンソフト「One Voice」を使えば、テレビやステレオ、それにコンピュータを音声コマンドで操作できるようになる。「Just say it to play it」というキャッチフレーズを掲げるOne Voiceのセールスポイントは使いやすさで、土台になっているのは音声認識技術だ。

 「たとえばユーザーが900枚の音楽CDを持っている場合、自分の聞きたいCDを探すために、メニューや選択画面をスクロールしたり、アーティスト名を入力しなければならない。それに対して、One Voiceがあれば、音声コマンドで『John Mayerをかける』と命令するだけで、数あるコレクションのなかから該当するCDを探し出し、それを再生してくれる」とOne VoiceのAdam Fitch(セールス/マーケティング担当マネージャ)は述べている。

 ローリングストーンズとビートルズのどちらがすごいかについて友人と議論していると、ステレオが誤動作してしまいそうだが、このシステムはそうした混乱をさけるために、キーワードをきっかけにして動作するようになっている。デフォルトのキーワードは「One Voice」だが、ユーザー側で好きな名前や単語をキーワードにすることも可能だ。

 One Voiceプログラムの価格は149ドル95セントで、ほかにもスライドショー、テレビ番組の録画(「6時に7チャンネルを録画せよ」)、VoIP電話の呼び出し(「母親に電話せよ」)、電子メールやテキストメッセージの作成/送信/読み上げ機能などもついている。

 Fitchによれば、このプログラムは「再生せよ」「録音せよ」といった一連の単純なコマンドだけで基本的な操作ができるという。このアプリケーションは、起動時にPCのなかを巡回し、画像フォルダやアーティスト名、アルバムやジャンルの名前を収集する。そして、データベースに保存された名前や単語のなかから、発音が同じ言葉を探し出す。「標準的な米語で発音する限り、非常に精度が高いことがわかっている」(Fitch)

 製品のマーケティングに関して、Fitchの会社がいまだに直面している課題は、音声認識技術はあてにならない、という世間の認識を変えることだという。

 「われわれにとっての最大の障害は、音声認識製品があまりにも早く市場に出てしまったことだ。以前、音声認識を試してみたが、うまく使えず、音声認識技術を疑問視しているユーザーにどうアピールしていくかが課題だ」(Fitch)

 One Voiceは、3歳の子供の声や英国北部からやって来たいとこの声だけでなく、夜遅く疲れきって帰宅したときの声さえ認識できるとFitchは付け加えた。このソフトウェアの音声認識用エンジンは、さまざまなアクセントや発音を聞き分けることができるように事前に学習を重ねており、かなりうるさい環境でも動作するようになっている。

 ユーザーは独自のコマンドを設定して、音声で反応してもらうか、単にタスクを実行させるようにプログラムすることもできる。「サンディエゴの自宅でこれを利用している。『サーフアップ』と言うと、命令がテレビからウェブに届き、ウェブカメラがとらえた太平洋の映像とサーフィン関連の情報が送られてくる」(Fitch)

 One Voiceは2カ月前から149ドル95セントで販売されている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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