インテルは2月24日、クライアント向け製品についての説明会を開催した。その中で同社は、次世代のマイクロアーキテクチャやフラッシュメモリ事業についての詳細を明かした。
説明にあたったインテル マーケティング本部長の阿部剛士氏は、「2006年にはマイクロアーキテクチャが変更される」とし、その詳細について説明した。次世代のマイクロアーキテクチャは、プロセッサの処理を高速化する技術であるアウトオブオーダーエンジンがより高性能になる。新エンジンでは、4つの命令が発行され、バッファーがより深くなり、パイプラインは「最も効率的な数」(阿部氏)とされる14ステージになる。
インテルのクライアント向け製品について説明する阿部剛士氏 |
また、同アーキテクチャはパワー制御機能が強化されるほか、マルチコアキャッシュシステムにおいてデータ転送速度が改善される。さらに、メモリアクセスではメモリアドレス参照のあいまいさをなくすなどの改良が施される。
阿部氏は、フラッシュメモリ事業についても説明した。インテルではすでにNOR型フラッシュメモリ製品をNTTドコモの携帯電話端末「N902i」に向けて出荷している。このフラッシュメモリは、90ナノメートルプロセスによるものだが、2006年中には65ナノメートルのNOR型フラッシュメモリの量産を始める。
一方NAND型フラッシュメモリ事業については、2005年11月に米Intelと米Micron Technologyが共同でIM Flash Technologiesというジョイントベンチャーを立ち上げると発表している。現在米国アイダホ州に工場がすでに設立されており、2006年内にはバージニア州とユタ州にも工場が開設される予定だ。
阿部氏は、「IM Flash technologiesの最初の顧客がApple Computerだ」とした。年内には、Appleのデジタル音楽プレイヤー「iPod」に同社のNAND型フラッシュメモリが搭載されるという。
また阿部氏は、「NAND型フラッシュメモリの次のターゲットはフラッシュメモリカードだ」と述べている。インテルでは、過去に自社ブランドのフラッシュメモリカードを生産していた経緯もあり、記者からは「再び自社ブランド製品を開発するのか」との問いもあったが、この点について阿部氏はきっぱり「二度とやらない」と言い切った。同氏は、「すでにこの市場ではどの規格が生き残るか見えつつある。その規格にならう形で製品を出す」と説明した。
NAND型フラッシュメモリは、新キャッシュ技術「Robson」(開発コード名)にも採用される予定だ。Robsonは、2005年10月に台北で開催されたIntel Developer Forumにて発表された技術で、OSやアプリケーションの起動が高速化されるというものだ。NAND型フラッシュメモリは、「2007年後半には量産ベースになるだろう」と阿部氏は述べた。
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