以前から問題が指摘されていたビデオゲーム「Grand Theft Auto: San Andreas」の開発元が、ゲーム中に露骨な性表現を隠していたとの疑いから、再び非難されている。
ロサンゼルス市検事局は、同ゲームの開発元であるTake-Two Interactive Software(本社:ニューヨーク)を提訴した。同社はEntertainment Software Ratings Board(ESRB)からの成人指定を回避するため、わいせつな素材を隠して同ビデオゲームに含めるという不正な商行為をしていたという。
多くの小売店では成人指定タイトルの販売を敬遠しているため、このようなゲームの市場は狭くなっている。
ロサンゼルス市検事局のRocky Delgadilloは米国時間26日、「『Grand Theft Auto: San Andrea』のストーリーは欲望や悪意によって構成されている。その点において、その開発者と登場人物には大差がない。われわれが口にする食品であれ、余暇を楽しむためのエンターテインメント製品であれ、企業には製品の内容を誠実に明らかにする義務がある」と声明のなかで述べた。
Take-Twoの関係者からは、訴訟に関するコメントは得られていない。
訴訟が報道された同日、不法な画像が同ゲームから見つかった問題で米連邦取引委員会(FTC)が調査に乗りだしたことの責任を取り、Take-Twoの役員1人が辞任している。
同ゲームのわいせつなシーンは、大きな話題となっていたが、同社は当初ハッカーの仕業だとしていた。2005年、指定の見直しを受けて、全米の小売店が同ゲームを店頭から引き上げた。そして、連邦議員らは暴力や性的な描写に関する厳重な取締まりをビデオゲーム業界に求めるようになり、多くの州がこの問題に対処するための法案を検討している。
ロサンゼルス市検事局によると、Take-Twoは、2005年夏の指定見直しまでに「Grand Theft Auto: San Andreas」を1200万本以上販売したという。カリフォルニア州ではこれまでに20万万本以上が販売され、小売店は1000万ドル以上の売上を得ていたという。
民事訴訟では、罰金に加え、同ゲームの売上から同社が得た利益の一部も損害賠償として求める。これは、ロサンゼルス市が進めるビデオゲームのマーケティングに関する捜査の一環となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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