イノパス、携帯電話端末の遠隔診断・修復ができるシステムを開発

永井美智子(編集部)2006年02月07日 08時00分

 携帯電話端末のソフトウェアを無線で自動更新する技術を開発、提供するInnoPath Softwareは、端末の遠隔診断や修復ができるシステム「iMDM(integrated Mobile Device Management:統合携帯端末管理) Solution Suite」を開発した。2月13日よりスペインで開催される携帯電話関連の展示会「3GSM World Congress」において発表する。

 InnoPathは無線で携帯電話のファームウェアやソフトウェアをアップデートする技術を提供している。NTTドコモやKDDIのほか、NEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、シャープなどが同社とパートナー契約を結んでおり、携帯電話向けの無線アップデート市場における国内シェアは90%以上にのぼるという。

2005年9月に社長に就任したFazio氏は、日本市場について「大手の携帯電話事業者が革新的なサービスを生み出しており、協業を通じて学ぶことが多い」と話す。

 今回開発したiMDM Solution Suiteは、無線を使って遠隔で携帯電話端末の設定や診断、修復ができるというものだ。「これまで端末が故障したり、ユーザーの設定ミスによってサービスが利用できなかったりした場合には、ユーザーに販売店まで端末を持ってきてもらうか、電話で何時間もやりとりをしないと問題を解決できなかった。iMDM Solution Suiteにより、素早く正確に問題を見つけて修復できるため、サポートコストを下げられる。また、ユーザーがサービスを利用できないダウンタイムも削減できる」とInnoPath Software社長兼最高経営責任者(CEO)のJohn Fazio氏は説明する。

 iMDM Solution Suiteは端末側に自己診断機能を搭載することも可能だ。これを使って自動でソフトウェアの問題に関する記録を集めて分析や対応に役立てることもできるという。Innopath日本法人の代表取締役社長である松田芳明氏は、「基地局のエリアの端になると、通話が切れやすくなることがある。こういった場合、通信のパフォーマンスを記録してサーバで一括管理し、次にどこに基地局を置くべきかといった判断の材料にできる」とした。

 iMDM Solution Suiteはキャリア向けのサーバ用ソフト「iMDM Carrier Suite」と、端末用ソフト「iMDM Device Suite」からなる。第3世代携帯電話(3G)のCDMAのほか、欧州で一般的に利用されている2GのGSMにも対応する。3GSM World CongressではiMDM Solution Suiteのデモンストレーションも披露される予定だ。

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