サンフランシスコ発--Intelは、ノートPC用の新型チップ「Yonah」を年明け早々にリリースした後、続けてPCをリビングルームに進出させる動きを進めようとしている。
IntelのKeith Kresslin(モバイルプラットフォーム部門マーケティングディレクター)によると、Yonahは1月にリリースされるという。ノートPC向けに新たに設計されたこのデュアルコアチップは、シングルコアの現行製品に比べ、処理性能が約68%向上すると見られている。また、Yonahを搭載するコンピュータは、多くのアプリケーションを同時に実行する能力の点で既存のPCを上回ると同氏は説明した。
「ビデオゲームで遊びながら、Skypeの音声通話を利用できるようになる」と、Kresslinは米国時間13日に当地で行われた同社のプレゼンテーションのなかで語った。
Yonahを搭載したノートPCや小型デスクトップも、同チップの発売と同時に登場することになっている。
Intelは2004年に、製造上の問題でつまずき、複数の製品開発を中止した。また、2005年には製品/製造に関する問題は解消されたが、しかしライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)に市場シェアを奪われ続けた。Intelでは、来年投入する新チップでこの状況を好転させたいと考えている。
Yonahチップを搭載するノートPCは、平均の消費電力が3ワット程度になると見られているが、これは現在最先端をいくノートPCの平均値である4.2ワットよりも少ない。消費電力削減の一因としては、チップが高速にタスクを完了できるようになる点が挙げられる。また、Yonahには消費電力を削減するために設計された新しい回路が組み込まれている。
多くのYonah搭載ノートPCは既存の機種よりもさらに小型になると、Intelの複数の幹部が述べている(ただしKresslinは、YonahのサーマルシーリングやTDP=熱電力設計についての情報を明らかにしなかった。このため一部のシステムでは、この問題が筐体の大型化につながったり、消費電力に影響を与える可能性もある)。
また、2006年第1四半期には、Viiv PCも登場するはずだ。Intel製の複数のチップとソフトウェアを搭載するViiv PCは、家庭用エンターテインメントシステムの中枢と位置づけられるもので、楽曲の保存やテレビ番組の録画、家族の写真やビデオの配信などができるように設計されている。さらに、Viiv PCでは、コピー防止用ソフトで保護された動画ファイルを携帯端末に転送することも、来年後半には可能になるという。
同社はまた、Viiv PCと他のハードウェア製品(携帯端末や液晶テレビなど)との互換性や、コンテンツダウンロードサービスとの互換性を幅広くテストすることも予定している。これらの製品やサービスには、Viiv対応を示すラベルが付く。これは、IntelがWi-Fi対応のノートPC向けに展開した「Centrino」のキャンペーンと同様のものになる。
IntelのEric Kim(最高マーケティング責任者)は、「これらのパーツに対する統一のプラットフォームがない。(Viivは)リビングルームで重要な役割を果たすことになる」と述べている。
情報筋によると、Viiv PCはComputer Electronics Show(CES)で披露されるが、Intelはそれに合わせてViiv認定のコンテンツサービスを提供する新たな映画配給会社や製作会社も発表するという。同社はすでに40社との提携を発表している。
ただし、最初のViiv PCがすぐに発売になるわけではない。さらに、これらのPCはまず9カ国で発売され、その後ほかの国々にも順次投入されていくことになる。Intelによると、テレビやインターネット対応DVDプレイヤーなどViivと互換性のある各種の機器や、Viivに対応するコンテンツサービスは、来年後半に開始されるという。
「われわれは、コンテンツプロバイダーがコンテンツをオンライン配信するのに必要な保証を与えるため、彼らとの交渉に多くの時間とエネルギーを費やしてきた」(Kim)。Kimによると、映画会社などとの交渉は2002年ごろから始まっていたという。Intelはまた、2004年にProducer's Guild Awardsの晩さん会を後援するなど、さまざまな根回しも行ってきた。
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