2006年は、フランスのテレビ番組など、PCユーザーが望むほぼすべてのエンターテインメントへのリンクが、身近にあるPCにもたらされそうだ。
Intelは現在、映画配給業者や音楽会社、ゲーム開発元などの各エンターテインメント企業と協力しながら、これらのコンテンツが同社からまもなく登場する「ViiV」ブランドのチップ類を搭載したエンターテインメントPCで楽しめるようにする計画を進めている。
フランスの大手テレビ局Canal Plusや、イギリスのBSkyB(British Sky Broadcasting)などの各社は、デスクトップへのリンクを提供し、消費者がネット経由で各社の保有するデジタルコンテンツのライブラリにアクセスできるようにすると、Intel Digital Home GroupのKevin Corbett(Content Services Group、バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ)が明らかにした。
一方、日本の吉本興業の関連会社で、コンテンツ制作や配信を行うベルロックメディアは、インターネット向けに製作したコンテンツへのリンクをViiVブランドのPCに提供する。これにより、ユーザーはそのリンクをたどるだけで、同社が製作したネット限定のビデオを観られることになる。
これらのサービスの料金や提供されるコンテンツの品揃えなどは各地域ごとに異なるが、ViiVブランドのPCにはすべて、映画や音楽、オンラインゲーム、写真などの各サービスへのリンクが最低1つは付属することになる。
IT企業各社とエンターテインメント業界の大手各社は、映画などのコンテンツをデスクトップPCやノートPCに配信する方法について、何年も前から交渉を進めてきた。2004年には、それまでゆっくりとしたペースで進んでいた交渉が進展をみせ、いまではネットワークテレビや映画会社による契約の発表が立て続けに行われる状況になっている。
この変化をもたらした要因のひとつとして、2005年秋にApple Computerからビデオ再生機能を持つiPodが発売されたことを挙げる者もいるが、最近発表された多くの提携に関していえば、その主要な作業はビデオiPodの発表時までに済んでいた可能性が高い。2005年初めには、複数の映画会社とIT企業が2005年後半か2006年前半までにコンテンツに関する契約を結ぶことになると、エンターテインメント業界の幹部らが述べていた。
「これは必然的なものだ」とCorbettは言う。「米国だけでもブロードバンド回線に接続されたPCは3800万台にものぼる。これは3800万台のセットトップボックスがあるのと同じことだ」(Corbett)
IntelはViiVの技術を利用して、高価格な家庭用PCの市場を拡大しようとしている。ViiVブランドのPCには、Intelの最上位プロセッサが搭載されるほか、オペレーティングシステムにはWindows XP Media Center Editionが採用され、さらに家庭にあるPCをデジタルビデオレコーダーやステレオ代わりに利用する上で障害となる一部の問題を解消するために考えられた技術も数多く搭載される。この手軽さは、ViiVブランドのPCの大きなセールスポイントになるだろう。
「ほとんどの場合、(ViiVブランドのPCにバンドルされる)サービスは、たいていのPCでも利用できるものだろう。ただし、それを試すには度胸がいる」とCorbettは言う。「PCは多くの目的に利用できるが、ただし柔軟性が高すぎて、消費者にとっては扱いが困難になる可能性もある」(Corbett)
ノートPC向けのCentrinoブランドの場合と同じく、PCメーカー各社が自社のコンピュータにViiVブランドを冠するためには、Intel製のパーツや部品を数多く搭載する必要がある。ViiV PC上で各種のメディアサービスが円滑に動作することを確実にするため、Intelはさまざまな状況でこれらのサービスの動作をテストしている。
IntelはViiVブランドの計画を8月に明らかにしたが、このブランドを冠したPCは来年の第1四半期に登場する予定で、Intelではその一部をConsumer Electronics Showで披露することにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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