Blandon Rayは、ワシントンDCにある主要な大学の医療機関でネットワークエンジニア兼管理者として働いていた。同氏が管理していたDell Optiplex GX270では、2005年の2月ごろからマザーボードに立て続けに問題が発生し始めたため、結局Dellからサービスマンを呼んでボードを交換しなくてはならなかった。
「問題の発生したシステムは、すべて同じグループが使っていたもので、ほぼ同時期に購入されていたことが、しばらく経ってから分かってきた」(Ray)
さらに多くのシステムで問題が発生し始めると、Dellは「何の質問もせずに」それらに搭載されたマザーボードを交換し始めたと、Rayはいう。
Dellの「Community Forum」ページにも、2005年2月にOptiplexで不良キャパシタが見つかったという書き込みがある。こららのマシンでは、「断続的なシステム停止や熱によるシャットダウン、ビデオ表示の問題」などが生じたという。
Dellはこの問題の解決に3億ドルあまりの費用を計上したが、その半数はマザーボード全体の交換にかかるものだとWilkinsを推定している。また、同氏によると、残りの半分はシステムに交換が必要かどうかを見定めるためのロジスティクスに回されるという。
バージニア州で小規模なコンピュータ修理業を営むPaul Kamberisは、今年1月にいくつかのPCに生じた問題を目にしはじめた。これらのPCでは「青い画面」が頻繁に表示されたり、不特定のプログラムを起動すると新しいシステムがクラッシュしてしまうなどの問題があったことから、同氏はコンピュータの内部をチェックしてみた。
「これらのシステムに見られた唯一の共通点は異常なキャパシタだった」とKamberisは言う。「ハードディスクを初期化し、システムを再インストールしてみたが、それでも問題は解決しなかった」(Kamberis)。同氏によると、今年に入ってほかに3つのマザーボードでも同じ問題を目にしているという。
この不良キャパシタを含んでいたマザーボードはIntel製の「D865GBF」だが、このマザーボードはコンピュータメーカー各社や一部の小売店に販売されているとKamberisは述べている。
Intelの広報担当Bill Kircosは、「キャパシタの問題は目新しいものではなく、頻繁に生じる可能性があり、また原因についてはほとんど無限のシナリオや環境的なものが考えられる・・・そして特定のメーカーに固有の問題ではない」とし、同社のマザーボードについてのコメントを差し控えた。
Intelでは以前にキャパシタ製造業界内で問題があったことを認めており、また同社のウェブサイトには、デスクトップ用のマザーボード「875」「865」シリーズの一部でキャパシタから電解質が漏れる問題について説明した情報もある。
いっぽう、Appleの関係者もiMac G5で見つかっていたキャパシタ問題の報告についてコメントを差し控えた。
同社は8月に、2004年9月から2005年6月頃に販売された、第1世代のiMac G5の一部のモデルを限定的にリコールしていた。同社はその際「特定の部品の不良」が原因としただけで、具体的な詳細を明かさなかった。
2004年11月末にiMac G5を購入したOliver Kreuzenbeckは、当初自分の手に入れたiMacの画面が数秒おきにちらつく理由が分からずに途方に暮れていたが、Appleの掲示板にあった書き込みを呼んで、マシンの内部を調べてみることにしたという。
これと似たような苦情は、Appleの掲示板や複数のファンサイトにも見られるが、それによると不良なキャパシタのせいで、画面表示の乱れや歪みが生じたり、電源に問題が起こっていたという。なお、Appleではこの問題への対応にかかった費用については明らかにしていない。
HPでは製品の品質チェックを細かく行っており、xw3100ワークステーションで該当のキャパシタを使用していた疑いがあったので、2004年3月に即座に製品の出荷を停止して調査した。その結果、実際には該当キャパシタを使用していなかったことが判明した。また、その他のすべてのHP xw ワークステーションでも、該当キャパシタを利用していないマザーボードを用いて製造され、安全であることが確認されている。したがって、本件に弊社の製品は該当しないこととなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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