ソニーBMGは米国時間18日、前代未聞と言えるCDリコールプログラムに関する詳細を発表した。コピー対策技術が組み込まれたCDを購入した顧客は同プログラムに基づき、問題の商品を新しいディスクやMP3と交換できる。
ソニーBMGよりここ1年間でリリースされたアルバム52タイトルには、特殊なコピー対策技術が施されていた。この特殊な技術はハッカーに悪用される危険性があるとして、インターネットユーザーの間でセキュリティ懸念が浮上していた。ソニーBMGによる発表は、こうした問題に対処するもの。問題のCDは、Windowsコンピュータのプレイヤーで再生されると、特殊なコピー対策プログラムをPCのハードディスクにインストールする仕組みになっていた。このコピー対策プログラムが組み込まれたPCは、ウイルスやハッカーによる攻撃の危険にさらされてしまう。
ソニーBMGは18日、問題のCDを購入した人たちに対し、ウェブサイトの指示に従ってCDを同社に郵送するよう要請した。CDを郵送した顧客には、新しいCDに加え、楽曲のMP3ファイルをダウンロードできるサイトアドレスも提供される。
同社は声明のなかで、「ソニーBMGは、消費者にとって安全でユーザーフレンドリーな商品を提供するため、コンテンツ保護に関する取り組みを全面的に見直している。今後の取り組みでは、知的財産権の保護と、ユーザーの求める楽曲再生時の柔軟性を両立するための方法を確立していく」と述べた。
さまざまなメディアから批判の的とされてきたソニーBMGは、コピー対策技術が施されたCD470万枚のリコールと、販売済みのおよそCD210万枚の交換という大きな代償を支払うことになった。
英国のFirst 4 Internetが開発したこのコピー対策ソフトウェアは、「rootkit」と呼ばれる強力な技術を使って自身の存在を隠してしまう。ウイルスの作者も、PCに感染したウイルスの存在を隠すときに同様の技術を使うことがある。
このrootkitは抜け道をPCに残しておくため、ウイルスなどの不正ソフトウェアが自身の存在を隠すのに悪用される可能性がある。これを悪用して、自身の姿を隠蔽する複数の不正プログラムが既にネット上に出現している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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