ソニーとNECは11月17日、光ディスクドライブを製造する合弁会社の設立に基本合意し、覚書を締結したと発表した。今後は2006年1月末の正式契約に向けて、協議を進めていく。
新会社はソニーが55%、NECが45%を出資する。ただし資本金の額は未定。事業開始は2006年4月1日の予定だ。 両社はそれぞれ光ディスクドライブ事業を新会社に移管する。両社の光ディスクドライブの事業規模は2004年度で合計約2200億円という。
パソコンなどに搭載されるDVDドライブやCDドライブなどを中心に、商品開発から設計、製造、法人向けマーケティング、販売までを世界的に展開する。具体的には、ソニーの光ピックアップにNECグループのLSIを組み合わせ、家電・パソコンメーカーに供給する。
今回の話は2005年夏ごろにNECからソニーに持ちかけたものという。光ディスクドライブの市場は規模は拡大しているものの、海外メーカーとの価格競争が激しく苦戦していた。ソニーはもともと光ディスクドライブの部品をNECに納入しており、製品のラインアップや顧客の重複が少ないことから、補完関係が築けると判断したという。
ソニーとNECは次世代光ディスクにおいてはライバル関係にある。ソニーがBlu-rayという大容量の規格を推進しているのに対し、NECはHD DVDというDVDフォーラムで定められた規格を支持しているのだ。
新会社の次世代光ディスクへの対応については、「顧客の要望にあわせて今後検討していく」(ソニー)と述べるにとどめている。Blu-rayとHD DVDは規格の統一化も検討されていたが、現時点で話し合いは進んでいないとのことだ。
今回の提携に関して、NEC代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏は「PC向け、デジタル家電向けに高付加価値ドライブ市場が拡大する中で、世界のトップベンダーとなるためには、主要部品の調達から開発・生産、販売というバリューチェーン全体で相互補完できる関係にあるソニーと協業することが最善の選択であると判断した」と説明する。
また、ソニー取締役 代表執行役社長の中鉢良治氏は、「光ディスクドライブ開発には、多くの商品に搭載される基幹部品として、従来よりリソースを戦略的に投入してきた。DVDドライブを中心に優れた技術力を備えるNECと組むことにより、製品構成及び品質の両面において世界レベルで製品力強化につながるものと確信している」とコメントしている。
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