Surj Patelは現在、はんだごてを片手に携帯電話を自作している。
これは簡単な作業ではない。まず約400ドルを投じて部品を集め、次にパートナーのDeva Seetharamと一緒にLinuxベースの小型コンピュータ上で動作するコードを書かなくてならない。Patelは、このコンピュータを自分の新しい携帯電話の頭脳にしようというのだ。
携帯電話が希少なものでも、手が出ないほど高額なものでもないのに、同氏はなぜこのような手間をかけているのだろうか。
Patelは、Motorolaから出ている超薄型機にも、最も高機能のNokia製端末にも我慢できなくなったのだという。同氏は、携帯電話向けの新機能開発に数年前から取り組んできた。そして、進化のためには携帯電話も普通のコンピュータのように柔軟であるべきだ、との結論に達した。苛立ちを感じてこのように考える開発者の数はますます増えている。
「携帯電話をもっとオープンなものにしたい」とPatelは言う。「世界最高の研究期間や開発施設には優秀な技術者がそろっている。彼らが手を加えられるようにすれば、必ずそうする人間が出てくるだろう」(Patel)
これはちょうど、30年前にApple Computerの共同創業者であるSteve Wozniakや彼の仲間たちが、その後PCの大ブームが起こることなどまったく知らずに、自宅のガレージで「自家製」コンピュータ作りに励んでいたのと同じことだ。ただし、携帯電話業界はある意味で逆の方向に進んでいる。すでに世界中で、携帯電話の利用が爆発的に増大しているが、部品の価格低下によってハッカーによる携帯電話の自作が現実的になったのはつい最近のことだ。
こうした「携帯電話職人」たちが、携帯端末メーカーや大手通信事業者が設定する境界線に苛立ちを見せていることは確かだ。彼らは、携帯電話がプログラミング可能なものになることを望んでいる。彼らは新興事業として、あるいは自分たちの趣味として、自分たち独自のサービスを作りたがっているのだ。
ハードウェア本体以外の部分では、すでにこのような動きが急速に進んでいる。技術に精通した活動家たちは、携帯電話を政治の道具にしている。またプログラマーらは、携帯電話とSkypeインターネット電話ネットワークとのゲートウェイを開発し、携帯電話を使った低価格の国際電話を実現している。
Patelは、マサチューセッツ工科大学のMedia Labで数年間研究を続けた後、英国の携帯通信会社Orangeに入社。その後、最終的に自ら新興企業を立ち上げた。同氏は米国時間14日、CNET News.comに対して、「LinkedIn」や「MySpace」のようなソーシャルネットワーク用アプリケーションと携帯電話のアドレス帳とを融合することについて語った。
ソーシャルネットワークのサービスは、不規則に拡大する多数の人々を一部重複した「友人」たちと結びつけており、ユーザーにはだれがオンラインの状態にあるかが分かるようになっている。同氏はこの機能について、携帯電話のコンタクトリストとして格段に優れたモデルだと述べたが、ただし今日の携帯電話をこのようにチューニングすることは事実上不可能だという。
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