Apple Computerが「Rosetta」の商標登録を申請した。Rosettaは、同社が2006年からIntelチップへ移行する際に橋渡しを行うコード変換技術である。
同社は先週、Rosettaという愛称の商標保護を申請した。Appleは開発者に対して製品のIntel互換バージョンを開発するよう奨励しているが、それと同時に、内蔵エミュレーションソフトウェアであるRosettaを投入する計画も発表している。Rosettaがあれば、PowerPCベースのMac向けに開発されたソフトウェアの大半が新しいIntelマシン上で動作するようになる。
AppleはIntelマシンの第一弾について、6月までには発売するとしただけで正確な日付を確定していない。一部のアナリストは、最初のマシンは早ければ1月にサンフランシスコで開催されるMacworld Expoで登場する可能性がある、としている。
多くの主要ソフトウェアメーカーが自社ソフトウェアでのIntelサポートを表明しているが、どれだけ早くそのサポートが実現するかは明確になっていない。たとえばAdobeは、IntelベースのMacを将来登場するバージョンでサポートすることを表明しているが、「Creative Suite 2」製品での新型Mac対応は計画していない。
そこでRosettaが必要になってくる。
Appleの幹部らはRosettaを「自社技術」だとしているが、実際はTransitiveの開発したエンジンが利用されている。Transitiveは、あるOSもしくはプロセッサ向けに書かれたソフトウェアを別のコンフィギュレーション上で動作するコードに変換する各種エンジンを提供する新興企業。
Appleの最高経営責任者(CEO)Steve JobsはNew York Timesに対してTransitiveの関与を正式に認めたが、同社幹部らはその詳細を明かにしていない。AppleのシニアバイスプレジデントPhil Schillerは、6月にCNET News.comのインタビューに応えたが、Rosettaの何割が自社開発かを明らかにすることは避け、「詳細については明かさないが、これはAppleの技術だ」とだけ述べた。
Rosettaを使うことで、既存の多くのMac用プログラムが新しいIntelベースのMacで動作するようになる。だが、そこにはいくつか制約もある。Appleでは、Rosettaは「PowerPC G3プロセッサに対応し、Mac OS X上で動作する現在発売中のアプリケーションを変換するようになっている」としている。
しかし、Appleによると、コードの種類によっては、Rosettaで実行できない場合もあるという。Rosettaで実行できないプログラムとしては、PowerPCのAltiVec命令を特別に使用するように書かれたプログラムや、PowerPC G4やPowerPC G5を必要とするプログラムがある。また、Mac OS 8やMac OS 9用に書かれ、現在、Mac OS Xの「Classic環境」で稼働されているプログラムも実行できない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」