カリフォルニア州クパティーノ発--このところ立て続けに新製品を発表しているApple Computerが、米国時間19日に新しいハイエンドの画像処理用ソフトウェアを投入し、さらにデスクトップマシン「Power Mac」とラップトップ「PowerBook」をアップグレードした。
新しいPower Mac G5 Quadは、2.5GHzのデュアルコアPowerPC G5を2基搭載する。Appleは、当地にある本社で報道陣向けの発表会を開き、今回のアップグレードでPower Macのすべてのモデルにデュアルコアプロセッサとより高性能なグラフィックカードが搭載されることになったことを明らかにした。
「プロセッシングコアが4つになり、また新たにPCI Expressアーキテクチャーが採用され、Nvidiaから出ているワークステーション向けの最速カードが搭載されたことで、新しいPower Mac G5 Quadは、われわれがこれまでに開発したなかでも最も強力なシステムとなっている」とAppleのPhilip Schiller(ワールドワイド製品マーケティング担当バイスプレジデント)は声明のなかで述べている。
いっぽう、Appleは「Aperture」という画像処理用ソフトウェアについて、アナログカメラからデジタル技術への移行で失われたツール類を取り戻す手段として売り込んでいる。プロのフォトグラファー向けのこのアプリケーションを使えば、何千枚ものRAWファイルを簡単に取り扱うことが可能なほか、仮想的なLight Table機能を利用して画像を比較/編集したり、ルーペ機能を使って画像の一部だけを拡大し細部を確認することもできる。
このソフトウェアには、Appleが「非破壊画像処理」と呼ぶ重要な特徴もある。非破壊画像処理では、オリジナルの画像ファイルはそのままの形で保存され、編集された結果は単なる変更リストとして保持されることから、オリジナル画像の保護やファイル容量の節約が可能となっている。
Appleは、Apertureが人気の高いAdobeの「Photoshop」に対して潜在的な脅威になるとの考えを一蹴した。同社によると、ApertureはPhotoshopを「補完」するものだという。
「Apertureは(Photoshopとは)まったく違うことを目的とするものだ。Apertureのようなソフトウェアはこれまで他になかった」とSchillerはインタビューのなかで語った。
しかし、Jon Peddie Researchのアナリスト、Kathleen Maherは、Apertureに好印象を持ったと述べ、さらにAppleにとってこれは一部のPhotoshopユーザーを乗り換えさせる機会となるとの考えを述べた。
「アップルにとっての強みは、インターフェースを完全に見直せる点にある」とMaherは述べたが、同時にそれは難しい課題でもあるとした。「Appleは、Photoshopのユーザーに『乗り換えてもいい』と考えさせるような何かをつくり出す必要がある」(Maher)
Apertureは11月に499ドルで発売される。なおPhotoshopの小売価格は599ドルとなっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス