ガートナー ジャパン(日高信彦代表取締役社長)のリサーチ部門は、国内 の携帯電話端末のエンドユーザーへの販売台数について、2006年に大きな需要 集中期を迎えた後、再び需要収束期に入るとの予測を発表した。
現在の携帯電話端末市場は、新規購入よりも平均2年弱のサイクルとされる 「買い換え」によって大きく左右される。カメラ付き携帯電話端末の登場で需 要が集中した2003年から2年目に当たる2005年には、買い替えの平均サイクル からみると再び大きな波を迎える可能性がある。しかし、音楽再生をはじめと する「売り」は、それによって買い換えを促進されるユーザー層が、カメラ機 能に比べて限定されているため、カメラ機能の登場と同程度のインパクトは期 待できない。
一方、2006年には、インフラ整備も含めたFeliCaの普及が急速に進むと予想 されることに加え、6〜7月に開始目標とされる番号ポータビリティによってユー ザーの流動性が上昇、それに伴う端末購入が拡大すると考えられる。こうしたこ とから、本来2005年に形成されるべき需要の山が2006年に吸収され、その販売台 数は約4900万台と大きく増加すると予測している。ただし、番号ポータビリティ の開始が遅れれば、端末の買い換え需要も2007年へと分散する可能性がある。
その後は、番号ポータビリティやFeliCaの牽引力が次第に収束し、2007〜2008年は次の買い換え促進要因が育つまでの端境期に入ると考えられる。この段 階で携帯電話サービス契約数は9300万を超えるとみられ、年間で全契約数の半 数近くが携帯電話端末を買い換える見込みだ。また、2009年には、HSDPAなど の高速データ通信へのニーズが顕在化し、そのニーズが相対的に高い中位以上 のユーザー層から買い換えが再び活発化するものと思われる。
なお、世界の携帯電話端末市場は、2009年には世界全体の販売台数が10億台 を突破するなど台数ベースでは拡大を続ける見込みだが、海外におけるボリュー ムゾーンは既に低機能・低価格端末市場に移行しており、端末の世界平均卸売価 格は大幅に下落し続けると考えられている。
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