ソニーは9月5日、海外でも日本のテレビ放送が見られる「ロケーションフリー」シリーズの新製品として、Windows PCからテレビ放送を視聴するためのベースステーションとPC用ソフトを発表した。市場想定価格はベースステーションとPC用ソフトウェアを合わせて3万5000円前後。10月1日より量販店などで販売する。
ロケーションフリーシリーズは、かつて「エアボード」というブランド名で呼ばれていた。しかし、対応製品をテレビ以外にも拡大することから、2月にはブランド名をロケーションフリーに変更していた(関連記事)。
ベースステーションの「LF-PK1」は自宅のテレビアンテナとインターネットに接続され、受信したテレビ放送をインターネットを通じてPCに送信する。映像は対応ソフトの「LFA-PC2」をインストールしたPCのみで視聴できる。ベースステーションからPCに伝送される映像データは暗号化されるため、データが流出する恐れはないという。
ベースステーション(左)は従来機に比べて体積が約半分と小型化した
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ベースステーションをHDDレコーダーに接続すれば、PCから遠隔操作によってHDDレコーダーに保存した映像も視聴できる。また、ベースステーションは無線LAN機能も搭載しており、家庭内では無線LAN(IEEE 802.11a/b/g)を介してPCに映像を送ることもできる。
PCでテレビを視聴するためには、あらかじめベースステーションにPCを登録しておく必要がある。1台のベースステーションには4台まで登録できる。
ソニー ホームエレクトロニクスネットワークカンパニー ビデオ事業本部 LFX事業室 事業室長の前田悟氏は「どこでも自宅のテレビが見られるという新しいライフスタイルをもったカテゴリーを切り開きたい。ロケーションフリーはこれまでできなかったことを実現するものであり、価格勝負ではない新しいマーケットを作っていく」と意欲を見せた。今後は映像を視聴できる端末の種類を拡大していく考えで、「2005年度内にもう2機種を発売したい」(前田氏)としている。
ソニーではこれまで映像を視聴できるロケーションフリー端末として、12.1V型の液晶テレビの「LF-X1」とワイド7型の「LF-X5」を販売している。ソニーではこれまでの販売累計数を明らかにしていないが、市場価格で10万円前後と既存の液晶テレビに比べて高いことから、大きなヒットにはなっていない。前田氏は「これまではあまり機能をうまく販売店や消費者に伝えられず、高いと思われていた。3万5000円前後になれば一気に値ごろ感が出るだろう」と期待を寄せた。なお、今回発表されたベースステーションのLF-PK1は、LF-X1には対応していない。
PC用ソフトのLFA-PC2はWindows XP Service Pack 2、Windows 2000 Service Pack 4以上に対応する。
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