サンフランシスコ発--米国時間27日、SunのJava技術がBlu-ray Discプレイヤーに採用されることが明らかになった。これで、同社が当初から狙っていた家電製品市場での同技術の採用が前進することになる。
「同フォーマットの標準化団体であるBlu-ray Disc Associationは、インタラクティブ操作標準としてJavaの採用を決定した」と、Panasonic Research and Development Company of AmericaディレクターのYasushi Nishimuraは、Sunが当地で開催中のJavaOneカンファレンスで述べた。「つまり、Blu-ray DiscプレイヤーはすべてJavaを搭載して出荷される」(Nishimura)
同氏によると、Javaはメニューのコントロール、インタラクティブ機能、ネットワークサービス、およびゲームに利用されるという。
Javaは、同じプログラムをさまざまなコンピュータシステム上で動作させるソフトウェアインフラで、Windowsサーバやメインフレーム、あるいはプロセッサの異なる携帯電話など、さまざまなプラットフォームに対応しなくてはならない開発者にとって便利な技術だ。DVDプレイヤーのようなデバイスの場合、Javaを採用すれば、プレイヤーが搭載するチップやOSをプログラマーが意識する必要はなくなる。
Javaの開発プロジェクトには「Green」というコード名が付されていたが、その当時のJavaは家電製品向けの技術として考えられていた。10年前にSunがJavaを一般に公開すると、Javaはまずウェブブラウザの機能強化に利用された。その後、Javaはサーバや携帯電話上でソフトウェアを動作させる技術として本格的な足がかりを得た。
SunのCEO、Scott McNealyは先週行われたインタビューのなかで、今回の提携に言及していた。
「Blu-rayの新しい仕様により、Java Virtual Machine(JVM)が新次世代のあらゆるDVDプレイヤーに搭載され、どのDVDにもJavaのバイトコードが組み込まれて実行されるようになる」(McNealy)
しかし、Blu-rayとHD DVDとの次世代DVDフォーマットをめぐる規格争いが続いているため、Blu-rayとの提携は、Javaの完勝を意味しない。松下電器、ソニー、Dell、Hewlett-Packard(HP)、20th Century Fox、Walt Disneyなどの各社が支持するBlu-rayは、東芝が提唱し、Paramount Home Entertainment、Warner Home Video、Universal Studios Home Entertainment、HBO、New Line Cinemaといったメディア企業が支持するHD DVDと対抗している。
先ごろ、両フォーマットの一本化を目指した話し合いも行われたが、今のところ成果は見られない。このままでは、最終的にはVHSが勝利したVHS対Betamaxのビデオ標準戦争や、CD-RW対CD+RWの記録式CD-ROM戦争のようなゴタゴタが長期にわたって繰り広げられるおそれがある。CDの場合は、どちらの陣営も決定的な勝利を収めておらず、消費者が互換性のないドライブとディスクへの対応を余儀なくされている。
なお、Blu-ray DiscプレイヤーにJavaが搭載されれば、ネットワーク経由でDVDをアップデートできるようになると、SunでJavaを開発したJames Goslingは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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