リビングルームへの進出を目指すIntelが、またしてもApple ComputerのMac miniによく似たPCのプロトタイプを売り込もうとしている。
同社は現地時間5月31日、台湾で開催中のComputexでAOpenと共同で開発したこのプロトタイプを披露した。
「Pandora」というこのプロトタイプの外観は、メタリックな正方形で、Intelが3月のIntel Developers Forumで公開したものとよく似ている。
Pandoraをベースにしたシステムが、どのような方法でいつ発売されるのかは明らかになっていない。Intelはしばしば、複数の小規模なPCメーカーと契約し、プロトタイプやリファレンスデザインを共同で開発している。これらのPCは、製品化される場合もあるが、たいていは展示会への出展だけで終わる。
Intelの広報担当Barbara Grimesによると、ComputexではこのAOpenの試作機以外にも複数のプロトタイプが展示されているという。Intelは複数のコンピュータ/デバイスメーカーと協力して同様のプロトタイプを設計しており、これらのPCは今年中に市販される見込みだと同氏は述べている。
AOpenは台湾のPCメーカー、Acer Groupの関連会社だが、同社の製品は大半が他社からの委託で製造しているものだ。PCファンサイトのSilent PC Reviewによると、同社はPandoraシステムを9月ごろに発売する見通しだという。
Intelはこの新デザインで、再びエンターテイメントPC分野への進出をねらうことになる。同社は2004年のConsumer Electronics Show(CES)でこの分野への参戦を大々的に発表したが、しかし第1世代の製品はあまり売れなかった。そのため、同社のDon MacDonald(ホームプロダクトグループ、バイスプレジデント)は今年に入って、未来のリビングルーム向け製品はもっと小型でスタイリッシュなものになり、値段も下がる可能性が高いと述べていた。これに関して、アナリストらは、IntelがAppleのMac mini(499ドル〜)と競合するためには、製造コストとバンドルソフトのコストを抑える必要があると指摘していた。
Silent PC Reviewによると、AOpenのPandoraは、スロットローディング式のCDドライブと電源ボタンが前面にあり、背面には3基のUSBポートとキーボード端子、ディスプレイ端子が並んでいるという。またワイヤレスネットワーキング機能を内蔵し、冷却用ファンが1基搭載されている。
AOpenは、タワー型のベアボーンシステムが最も有名だが、キューブ型のXC Cubeシリーズなど、小型デスクトップも製造している。
同社はまた「ATX Pentium M i915Ga-HFS」に関して、Intelと提携したことも発表した。このハイブリッド型マザーボードは、Pentium Mプロセッサ(開発コード名:「Dothan」)に対応するマザーボードをベースに開発されたもので、Intelのデスクトップ用チップセット「915G」と「ICH6」I/Oコントローラが搭載されている、Pandoraシリーズの製品にはこのマザーボードが採用される確率が高いとAOpenを説明している。
さらにAOpenは、Intelの最新プロセッサ「Pentium D」と「945G」および「945P」の両チップセットをベースにしたPC用マザーボードを製造していることも明らかにした。AOpenは、これらのマザーボードで初めてデュアルコアCPUをサポートする。この2つのマザーボードにはPentium 4プロセッサを搭載可能で、フロントサイドバスは1066/800/533MHzとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力