Nokiaは現地時間25日、同社が特許を保有する技術を、Linuxカーネルのなかで自由に使えるようにすることを明らかにした。NokiaはこれによりオープンソースプログラマーにIP(知的所有権)保護を提供するIT企業の1つとなった。
「Nokiaは、非常に多くの個人や企業が、Linuxや他のオープンソースソフトウェアの開発にこれまで行ってきた投資が、一定のフレームワークに値すると考えている」と同社は声明のなかで述べている。Nokiaは同日、Linuxをベースする小型インターネット端末も発表している。
Linuxカーネルは、1991年にLinus Torvaldsが開発を始めた同OSの中核部分となっている。
SCO GroupがIBMを相手に訴訟を起こしたことで、Linuxをはじめとするオープンソースのソフトウェアには、一気に法的な関心が集まるようになった。また一部には、Microsoftが自社の特許を利用してオープンソースソフトウェアに対する攻撃を仕掛けると予想する人間もいた。
オープンソースのプログラマーに法的保護を提供するのは、Nokiaが初めてではない。LinuxベンダーのRed Hatは、自社の特許取得済み技術をオープンソースソフトに利用することを認めている。同じように、Novellでもオープンソースソフトに対する訴訟など、法的な攻撃からプログラマーを保護すると約束している。
また、Sun Microsystemsも現在、OpenSolarisプロジェクトに関連した特許を公開する準備を進めており、他のオープンソースプロジェクトに対して特許を主張しないと約束している。また今年1月には、IBMが500件もの特許を公開し、あらゆるオープンソースプロジェクトでフリーに使えるようにした。
Nokiaは声明のなかで、同社が現在保有する特許に関連して、Linuxに対する訴訟を起こすことはないが、ただし将来取得する特許はこの対象外とする権利を保持しているとした。同社はこれらの詳細を記したポリシーを自社ウェブサイトで公開している。
Nokiaはまた、Linuxカーネルに対して自らの特許侵害を主張する個人や団体は、同社による保護の対象にしない。「われわれは、Nokiaの特許技術を利用しながら、同時に自らの保有する特許でLinuxカーネルの開発を脅かすようなことは許されないと考えている。そのため、どのLinuxカーネルに対しても自らの特許を主張する人々は、Nokiaによる法的保護は適用されない」(Nokia)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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