新たに設立されたカメラマンの団体が、デジタルカメラメーカー各社に対し、各々のプロプライエタリなファイルフォーマットを公開するよう説得したいと考えている。
このOpenRAW Working Groupは米国時間25日、カメラメーカーに対し、各社が厳重に管理しているRAWフォーマットを公開するよう求めた。RAWフォーマットは本格派カメラマンの間で高い評価を得ている。
現在キヤノンやニコン、ソニーなど多くのカメラメーカーでは、顧客に対して、非圧縮画像をカスタムフォーマットで保存することだけを認めているが、このカスタムフォーマットが文書化されていないことから写真家の間では懸念が高まっている。
カメラメーカー各社は向こう2、3年以内に、旧型カメラで採用されているRAWフォーマットのサポートを打ち切る可能性があり、その場合、大量の画像ファイルが読み取れなくなるおそれがある。キヤノンはすでに、製造中止となった「EOS D30」で撮影された画像を、最新の編集ユーティリティでは開けないことを明らかにしている。
「写真業界に一体何が起こったのだ。カメラはわずか5年で使用不能となるのか」と、ドイツ人写真家のJuergen Spechtは、OpenRAWサイト上で疑問を投げかけた。同氏はさらに「3年半前、世界貿易センタービルに2機の旅客機が衝突した際、Bill Biggartという写真家が次々と落下する瓦礫の下敷きになって死亡した。しかし、Canon D30で撮影された彼の写真は無事だった。このカメラは歴史の目撃者だ。しかし、今やその画像も見られなくなってしまった」と続けている。
この点について、ニコンはコメントを控えた。またキヤノンからも25日時点で即座に回答を得ることはできなかった。
多くのサードパーティ開発者がプロプライエタリなRAWフォーマットのリバースエンジニアリングを行なってきたが、ファイルを開くための標準的方法が欠如しているため、将来どうなるかは不透明だ。このことはまた、プログラマにとって、ソフトウェアに新機能を追加する代わりに、新たなRAWフォーマットのリバースエンジニアリングに時間を割かなくてはならないことを意味する。
Adobe Systemsは、RAWフォーマットに代わるものとして、同社のDigital Negativeフォーマットへの支持獲得を目指している。TIFF 6.0をベースにしたこのフォーマットは、詳しい解説の文書が公開されている。
ニコンは声明の中で次のように述べている。「われわれは、ニコン製カメラのユーザーがNEF(Nikon Electronic Format)ファイルを生産的に利用できるようにする目的で、そのためのソフトウェア開発キットを提供する。この開発キットを適切に使用すれば、ホワイトバランスなど、NEFのさまざまな機能が利用可能になる。われわれは引き続き、本格的なソフトウェア開発者との対話に喜んで応じてゆく」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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