既報の通り、日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)は4月5日、垂直磁気記録技術と呼ばれる高密度記録技術を使って、2005年中に120Gバイトの2.5型HDDを製品化すると発表した。また、1平方インチ当たり230Gビットの高記録密度を誇るハードディスクドライブ(HDD)製造技術を開発したことも明らかにした。
垂直磁気記録技術は磁気情報を円盤面に対して垂直に記録するもの。現在一般的に使われている水平磁気記録技術(面内記録方式)に比べて、より小さな面積に多くの情報を書き込むことができる。1平方インチ当たり230Gビットという記録密度は「業界最高」(同社)といい、水平磁気記録技術の2倍に相当するという。
水平磁気記録技術を使った記録密度の向上には限界が来ており、垂直磁気記録技術は新たなブレイクスルー技術として注目を集めている。日立GSTのライバルにあたる東芝は、垂直磁気記録技術を使った1.8型HDDを量産する計画を発表しており、40Gバイト版が2005年度第1四半期(4月〜6月期)に、80Gバイト版が第2四半期に登場するとみられている。
2005年中に商品化する予定の2.5型HDDは、記録密度が1平方インチ当たり約100Gビットとなる。日立GSTでは垂直磁気記録技術の検証のため、2004年12月よりフィールド実験を行っている。垂直磁気記録技術を使った2.5型HDDをノートPCなどに搭載し、同社のOEM顧客や研究者などに使ってもらっているという。このHDDの容量は100Gバイト、回転数は4200rpmで、ATAインターフェースを備える。
さらに「Mikey」(開発コード名)という2005年中に発売する予定の1.0型HDDにも、垂直磁気記録技術を利用するべく検討中とのことだ。
2007年には、1平方インチ当たり230Gビットの高密度記録技術を使って、20Gバイトの1.0型HDDや1テラバイトの3.5型HDDを製品化する計画もあるという。「1平方インチ当たり230Gビットという密度は、信頼性も含めて射程圏内にある」と日立GST シニアダイレクタ ワールドワイド アドバンステクノロジ ラボラトリの高野公史氏は自信を見せた。
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