アリゾナ州スコッツデール発--エネルギー効率のよい飛行機を就航させるという新たな計画に、Bill Gatesが大金を投じている。
EclipseのCEO、Vern Raburnは当地で開催中の「PC Forum」で開かれたFlight Schoolで講演を行い、世界一の大富豪であるGatesが同社に投資していることを認めた(PC ForumはNews.comを運営するCNET Networksが主催するイベント)。Gatesは、RaburnがMicrosoftに務めていた当時の上司でもある。Raburnによると、Eclipseの筆頭株主はForbesが発表した億万長者ランキングに名を連ねる別の人物で、Gatesはこの人物に次いで多くの株式を保有するという。Eclipseは現在までの所、同社への出資者を正式には明らかにしていない。
同社が開発に取り組んでいるのは、最高時速375ノット(約690km)を誇る「Eclipse 500」という6人乗りジェット機。300〜600マイル(約482〜964km)程度の飛行を想定して設計されている同機は、130万ドルで販売される。同社は、これをチャーター飛行サービスを提供する企業に売り込む予定だ。Raburnによると、1年以内には、同機を商用利用するための認可を連邦航空局から取得できそうだという。
同社のように、航空業界で新しいアイデアを実現しようとする企業にとって頭が痛いのは、資金調達の問題だ。航空機を設計するEclipseは、自社設備で航空機の量産を行う予定だという。しかし、製造設備を保有するにはお金がかかる。Raburnによると、450人の従業員を抱える同社は、現在までのところ借り入れと株式で4億ドルを調達しているが、その大半は株式だという。そのうち、特別開発費だけで約1億7500万ドルが使われている。
航空機にはあまり標準部品が利用できないことも、高コストの要因となっている。「すべての部品が特注で作られている。(Eclipse 500では)こうした部品が4万点使われている」(Raburn)
しかし、Eclipse 500のような航空機が出現したことにより、将来的には航空機の製造方法が変わっていくものと思われる。例えば、同機で採用されているPratt & Whitney製のエンジンは、直径14インチ(約35cm)と極めて小さい。エンジンが小型化されれば、エンジニアは航空機の重量を大幅に削減することができ、それが燃費の向上と航続距離の延長へとつながる。このようなエンジンを大量生産すればコストは削減される。
Raburnは、「航空機の発展は、すべて推進力の向上にかかっている」と語る。たとえば、Wright兄弟が成功した主な要因は彼らが初めてエンジンブロックでアルミニウムを採用したためで、「このおかげで推力重量比が変わった」と同氏は述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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