サンフランシスコ発--ゲームマシンメーカーなら、技術の詳細を明らかにしてゲーム開発者を感心させることもできるが、心から彼らを味方に付けたいと考えているのなら、薄型テレビを1000台ほど無料で配ってみるといい。
Microsoftは米国時間9日に、この戦略を実行した。同社バイスプレジデントのJ. Allardは、当地で開催中のGame Developers Conferenceの講演のなかで、次期バージョンのXboxに関する詳細をまずいくつか明らかにした。
Allardは、次期Xbox(開発コード名:「Xenon」)で計画されているソフトウェアやオンラインサービスに関するいくつかの変更点を紹介した。ただし、同氏は映像エンターテイメントが高品位コンテンツに移行することなど大きなテーマの話に終始した。
Allardによると、テレビ番組やDVDなどは、どれも数年以内に高品位テレビも対応するため、これらと同品質の映像や派手なグラフィックスを提供しないかぎり、ゲーム開発会社は競争力を維持できなくなるという。「解像度だけの問題ではなくなっていく。高品位テレビの普及で、ゲームの遊び方も変わることになる」(Allard)
同氏はこの点をよく理解してもらうために、講演の最後にSamsung関係者を壇上に招いて1000台の高品位テレビを無償で配布した。
Allardはさらに、次世代のXboxゲームすべてに採用される統一インターフェースも簡単に披露した。ユーザーはこのインターフェースを起点に、ネットに接続したり、内部に保存した音楽にアクセスするようになる。また、MicrosoftはXboxユーザー向けに、レーシングゲーム用の新車や、ゲームに登場する人物のアクセサリなどをダウンロード販売する計画を立てているが、このインターフェースはそうした少額取引システムへのゲートウェイの役割も果たすことになる。
「これを使えば、5セントのタトゥーを販売でき、しかも手数料を心配する必要もない」(Allard)
Allardは、Microsoftが5月のElectronic Entertainment Expo(E3)トレードショーでXenonの秘密を明らかにするとし、Xbox 2の技術面にはあまり触れなかったが、IBMが開発中のメインマルチコアプロセッサやXenonがかなりの性能になることを保証した。
「目標となる計算処理能力は1テラフロップを超えることになるが、この性能は現在のスーパーコンピュータに迫るものだ」(Allard)
Microsoftと競合するソニーでは、次期PlayStationに搭載予定のCellプロセッサをこのところ盛んに売り込んでいるが、Allardは同プロセッサについて、その目新しい設計がゲーム開発者には却って障害になるだろうと述べた。
「科学博覧会で優勝できるようなハードウェアを設計して、電気工学の専門家を味方に付けるのも1つの手だが、それとは別にゲーム開発者のことを考えて設計するという手もある。われわれはゲーム開発者のことを念頭に置きながらシステムを設計している」(Allard)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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