Apple Computerが最新のPowerBookを発表した。一部から期待されていたG5ラップトップではなかったが、より高速なG4プロセッサを搭載しながら価格は引き下げられ、また新たな機能も追加された。
Appleは米国時間31日、同社のPowerBook3モデル(12/15/17インチ)の最新版を発表した。これらの新モデルには、長いドキュメントを読むときなどにスクロールさせて使用すると便利な「TrackPad」が新たに搭載されている。また、本体を誤って落としてしまった際にハードディスクを保護する「Sudden Motion Sensor」機能も追加された。一時期、IBMの「ThinkPad」に同様の機能が搭載されていたが、Appleは落下を検知する独自の方式を採用しており、2003年6月にはこの特許の申請も済ませている。
Appleのポータブル&ワイヤレス部門シニアディレクターであるDavid Russellは、これを「特許認可待ちの技術」だと述べた。同氏によると、Appleはこの技術をPowerBookの全モデルのマザーボードに組み込んでいるため、どのメーカーのハードディスクも利用できるという。同社の「iPod」もハードディスクを内蔵しているが、これにも同様の技術を採用するかどうかについては、Russellはコメントしなかった。
新モデルにはすべて512MBのメモリが搭載され、グラフィックカードも高速になっている。また802.11gとBluetoothの無線通信機能も内蔵されている。一部のモデルに搭載されるSuperDriveは速度が8倍速となった。これらのマシンの価格は1499ドルからで、以前の機種より100ドル安くなっている。
「Appleは引き続き、(スクロール可能なTrackPadやSudden Motion Sensorの機能を搭載した)最も革新的なノートPCで業界をリードしていく」と同社のPhil Schiller(ワールドワイド・プロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデント)は声明の中で述べている。
新モデルには以前のPowerBookと比べて多少高速なプロセッサが採用されているものの、多くのMacファンが待ち望んでいたG5プロセッサの搭載は今回見送られた。PowerBookへのG5プロセッサ搭載を待ち望む声は、2003年6月に初めてG5タワーが登場した当時からあった。さらに、AppleがiMacのコンパクトな筐体にG5を組み入んで以来、ユーザーの期待はますます大きくなっていた。もっとも、AppleはG5をノートPCに搭載するのは、熱処理の関係上難しいと繰り返し主張してきていた。
「PowerBookのような薄くて軽いノートPCにG5を組み込むのは、非常に困難なことだと言える」と同社のDavid Moody(ワールドワイドMac製品マーケティング担当バイスプレジデント)はあるインタビューの中で述べたことがある。
新モデルは今週後半から同社オンラインストアやApple Store、その他の小売チャネルで発売となる。
最上位機種の17インチモデルは、価格が2699ドルで、より高速な1.67GHzのプロセッサ、100Gバイトのハードディスク、8倍速のSuperDrive、ATI Technologies Mobility Radeon 9700グラフィックカード(メモリ容量は128Mバイト)を搭載し、同社の30インチCinema Displayをサポートする。SuperDriveは今回DVD-Rに加えてDVD+Rにも対応するようになった。
15インチモデルは2種類のタイプがあり、2299ドルのタイプは1.67GHzのプロセッサ、80Gバイトのハードディスク、8倍速のSuperDrive、ATI Technologies Mobility Radeon 9700グラフィックカード(メモリ容量は64Mバイト)を搭載。これに対し、1999ドルのタイプはプロセッサが1.5GHzで、コンボドライブ(CDの読み書きおよびDVDの再生が可能)を搭載する以外は2299ドルのモデルと同じ構成となっている。
12インチモデルも2種類あり、どちらも1.5GHzのプロセッサとNvidia GeForce FX Go5200(メモリ容量は64Mバイト)を搭載。SuperDriveと80Gバイトのハードディスクを搭載する上位モデルは1699ドルで、また1499ドルの下位機種は80Gバイトのハードディスクとコンボドライブが搭載されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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