ソニーのPlayStation Portable(PSP)は、公衆Wi-Fiホットスポット経由でゲームをダウンロードしたり、据え置き型のPlayStationとコンテンツを交換することが可能になるかも知れない。
先ごろ公示された特許申請書には、このようなさまざまなシナリオが記載されている。この申請書には、PSPと各種のインターネット対応機器とのワイヤレス接続手法が多数列挙されている。
第20040266529号というこの申請特許は、ソニー・コンピュータエンターテインメントの コーポレート・エグゼクティブ兼CTOの茶谷公之氏を出願者として、2003年6月に申請されたもので、Sony Computer Entertainment America(SCEA)に認められた。この申請は米国特許商標庁によって3週間前に公示された。
SCEA関係者にコメントを求めたが回答は得られなかった。
この申請には、無線を使ってPSPの機能を拡張する手法が複数記載されている。ソニーは先月、このポータブルゲーム機で携帯ゲーム市場に参入した。同マシンには、802.11bを使った無線接続機能が搭載されている。現在は日本でのみ発売中のPSPだが、北米では3月下旬までに発売される予定だ。
ソニーの幹部らは、同社のUniversal Media Discフォーマットに保存されたゲームを楽しむ以外に、PSPをさまざまな用途に利用することを公言してきた。だが、今回の特許申請は、これまでのどの発言よりさらに踏み込んでいる。
この申請には、PSPと「ベースとなるコンピューティング機器」を接続するための多数のシナリオが記載されている。こうした接続先の機器としては、PCやサーバ、あるいは今後登場するPlayStation 3のような高機能ゲーム機などが考えられる。
あるシナリオでは、中央のコンピュータを「コンテンツ実行サーバ」として利用し、これがPSPで処理しきれない複雑なソフトウェアコードを大量に処理するようになっている。
同申請によると、「このコンテンツ実行サーバはベースとなるコンピューティング機器として機能し、これがゲームプログラムの命令を実行し、処理済みのアクティブなプログラム命令をワイヤレストランシーバ経由でポータブルゲームデバイスに送信する。典型的なゲームプログラムでは、非常に複雑な数値計算、明暗調整、グラフィックス処理を行っており、強力な処理回路が要求されるのが一般的だ。コンテンツ実行サーバでゲームの命令を処理すれば、受信側のデバイスでは強力な処理回路が不要になり、ビデオ表示と音声出力に専念できるようになる」という。
同申請にはさらに、無線経由でPSPにコンテンツをダウンロードすることで、PSPのストレージ容量や処理能力の限界を回避する手法についても多数の記載がある。ゲームなどの各種コンテンツを中央のサーバに保存し、これを必要に応じて携帯端末にアップロードするようなシナリオも記載されている。
「コンテンツ実行用サーバには、ゲームに加えて、他のデジタルデータも含まれる可能性がある。こうしたデータの例としては、映画やDVD、音楽、あるいは他のエンターテインメントやビジネス用デジタルコンテンツなどが考えられる」と同申請書には書かれている。
サーバへの接続機能はEコマースにも利用可能で、PSPユーザーがゲームや他のコンテンツを購入したり、一定回数のプレイが可能なゲームをレンタルすることも可能になる。
この特許申請書のなかでは、PCや居間に置かれたゲーム機が接続先のサーバとしてもっとも多く引用されているが、外出先でのWi-Fi接続も視野に入っている。
「ネットワークが発達した今日の世界では、多くのユーザーが多くの場所--喫茶店、空港、ガソリンスタンド、その他の場所に設置されたホットスポットを無料で利用できる。ユーザーがアクセスポイントを利用して、インターネットサーバにログインし、以前に購入しておいたゲームをプレイしたり、新しいゲームを買って遊ぶこともできるようになる。また別の例では、ユーザーが自宅にあるシステムに保存した自分自身のゲーム--たとえばコンテンツ実行サーバやゲーム機にロードされているゲームCDに、リモートからアクセスして遊ぶといった可能性も考えられる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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