Mozillaは、PC用ブラウザ市場での成功をバネに、電話やPDA、テレビ用セットトップボックスなどの家電製品市場に参入したいと考えている。
Mozillaブラウザの軽量版であるMinimoのプロジェクトリーダー、Doug Turnerによると、MozillaはFirefoxの成功をバネにしてMinimoの開発を進めていきたい考えだという。
「FirefoxがPC向けの最も優れたブラウザだとしたら、各種端末向けの最も優れたブラウザも必要になる。われわれは、そのために懸命に開発を進めている」(Turner)
Turnerによると、Minimoを採用を決めた携帯電話会社がすでに2社あるという。同氏は共同開発を進めている2社の名前を明らかにしなかったものの、近日中に少なくともテレビメーカーとの提携発表が1つあることを明らかにした。
「1年半前から、携帯電話機やセットトップボックスのメーカーに対して、われわれの技術で何ができるかを示してきた。われわれの技術は採用されているが、しかし企業側がそのことを公表していない」(Turner)
この業界は、消費者ではなくメーカーがブラウザを選択するため、デスクトップブラウザ市場より参入が難しい。
「消費者に技術を披露して、携帯電話上で何が可能かを示すことはできる。だが、各メーカーに対して、Mozillaの技術を彼らの製品に組み込み可能であることを示すほうが重要だ」(Turner)
小型デバイス上でウェブページをレンダリングする問題については、Minimoの開発者がすでに解決策を見つけ出している。この機能は、Minimoの0.1および0.2の両バージョンに組み込まれている。Turnerによると、このソリューションは市場に出ている一部の製品を既に上回っているという。
「フレームを無視したり、JavaScriptのサポートを制限しているブラウザが実に多い。だが、Minimoなら、Firefoxでレンダリングできるページはすべてきちんと表示できる」(Turner)
この技術では、バナー広告のような重要度の低いイメージを縮小して表示するほか、複数の列を折り返して1列に表示する。これにより、操作は縦スクロールだけで済むことになる。
1月登場予定のMinimo 0.3では、携帯電話ユーザー向けにウェブページのナビゲーション機能が改善されるとTurnerは語っている。携帯電話ユーザーは現在、ページ上のリンクを順番に移動しないと目的のリンクにたどり着けないが、新技術では矢印キーを使うことでウェブページ上のリンクを移動できるようになる。
この技術を実現するためには、携帯電話機メーカーが各矢印の方向を個々の電話キーにマッピングする必要がある。またMinimo 0.3にはURL入力時の自動補完機能も搭載される。
さらに、開発者らはズームイン/ズームアウト機能の開発にも取り組んでいる。この機能が実現されれば、ユーザーは探している情報を簡単に見つけられるようになるとTurnerは説明した。「小さな画面でウェブページを見た場合、どこに何があるかが全くわからない。たとえば『連絡先』のリンクなどは携帯電話の画面上では見つけにくいため、ズームアウトして画面内にページを収めたほうがわかりやすくなる」(Turner)
この技術に関するはじめてのデモは6月に行われる予定だとTurnerは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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