Yahooは米国時間6日、自社ブランドを冠した家電製品を発表し、同社のウェブサイトでこの販売を開始した。これにより、同社は書斎からリビングルームへの進出を目指して密かに進めてきた構想を本格化させることとなった。
今回発表になったのはDVDプレイヤーとホームシアターシステムで、製造についてはDiamond Electronicsが担当した。
DVDプレイヤー「YDP-700」 |
このうち、携帯型のDVD/CD/MP3プレイヤーの価格は69〜99ドルとなっている。これらのプレイヤーでは、写真を保存してUSBポート経由で表示したり、テレビに接続してビデオを再生することもできる。一方ホームシアターシステムには、DVD/CD/MP3プレイヤー、サラウンドスピーカ4台、サブウーファ1台、アンプが付属しており、ローエンドの製品の価格は199ドルで、大音量のものは269ドルとなっている。
Yahooはこれまでも消費者向けの製品に自社のブランドをライセンス供与したことがあったが、家電製品は今回が初めてとなる。これまでに発売されたYahooブランドの製品には、コンピュータユーザー用メガネ、デジタルカメラ、キーボードなどがあった。
DVDプレイヤー「YDP-305」 |
Yahoo広報担当のNissa Anklesariaは、「ライセンス供与によるブランドの展開は、われわれのマーケティング戦略の一部として常に存在してきた」と語った。
Diamondとの契約は、PC以外の分野の製品に便乗するというYahooの新たな取り組みを浮き彫りにしている。同社は先月、大手電話会社SBC Communicationsとの契約を延長し、顧客への動画配信というSBCの野心的な計画に対し、Yahooのロゴを使用することを認めた。さらに、Yahooはこの契約でSBCの家庭用ネットワーキング製品やWiFi製品にも同社のロゴを付すことになった。
ホームシアターシステム「YHT-630」 |
Yahoo CEO(最高経営責任者)のTerry Semelは、SBCとの契約延長を発表した声明のなかで、「この契約によってデスクトップ以外の分野にまで自社の製品やサービスを拡大し、消費者との関係をさらに深めることができるようになる」と語った。
Anklesariaによると、今回発表されたDiamond製の家電製品は、実は今年秋にBestBuy.com、Target.com、JCPenny.comなどの小売サイトで、控えめな形で発売になっていたという。
Yahooのライセンス契約は、長年日本企業に独占されてきた家電分野への進出を目指すIT企業のトレンドに沿ったものだ。コンポーネントの標準化、液晶テレビなどの製品に対する高い需要、中国での低コストな委託製造などの要因が重なり、 現在では事実上どの企業でも自社ブランドの製品を販売できるような状況が生み出されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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